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 前回、1932(昭和7)年をひとつの転機として、メディア間における相互批評のシステムが完成したことを確認した。すなわち、新聞は雑誌を批評し、雑誌は新聞を批評する。雑誌批評と新聞批評が一対で機能する様子が観察されるのである。批評の交換といってもよい。

 もちろん、クロスチェック現象はこの時期にかぎらない。何度も反復されてきた。とくに、メディア環境の変動期に活況を示す傾向がある。2011年現在も何度目かのそうした時期に該当する。

 「○○の××化」/「××の○○化」という定型表現。そのあとには次の文句が続くだろう。「××だからこそできることに取り組むべきだ。そうしなければ、××は消滅してしまう」。こちらもパターン化されている。だが、メディア間の連動はもはや大前提だ。この状況において、なおも特定メディアにのみなしうることなど想定可能なのか。たとえ想定できるにせよ、その範囲は大幅に縮減してしまっている。

 必要なのは、各種メディアの本質を問いなおすことではない。そうではなく ・・・ログインして読む
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筆者

大澤聡

大澤聡(おおさわ・さとし) 批評家、近畿大学文芸学部講師(メディア史)

1978年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員を経て、現在、近畿大学文芸学部講師。専門はメディア史。出版産業やジャーナリズムの歴史的変遷を分析。デジタル時代の言論環境に関して提言をおこなう。文芸批評も手がける。著書に、『批評メディア論――戦前期日本の論壇と文壇』(岩波書店)など。Twitterは、@sat_osawa

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