2012年01月09日
しかし、である。かつて“伝説的な”ロードムービー『断絶』(1971)などを撮り、アメリカン・ニューシネマの異才として注目されたモンテ・ヘルマン21年ぶり(!)の新作、『果てなき路(みち)』は、文字どおり映画作りについての映画なのに、ラストまで興奮しっぱなしだった。なぜか――という点を含めて、この映画の魅力に迫ってみたい。
『果てなき路』は、有望な若手監督ミッチェル(タイ・ルニャン)が、謎の女ヴェルマをめぐって実際に起こった犯罪を題材にする映画、「果てなき路」の製作にとりかかる過程を、<フィルム・ノワール>の形式で描いている(フィルム・ノワール:しばしばファム・ファタール/宿命の女/悪女が登場する、1940年~50年代にアメリカで流行した暗いムードの犯罪映画)。
しかし本作は、そうした「映画作りについての映画」的な部分も含めて、誰が見ても面白いサスペンス映画となっているのだ。
もっといえば、
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