何を、どう撮るかに成功した映画
2015年12月24日
『螺旋銀河』(草野なつか)
外見も性格も対照的な二人の若い女性が、ラジオドラマの脚本を共作してゆく身辺雑記ふうの物語を、新人監督・草野なつかが細心かつ大胆に描いた傑作。
『ビッグ・アイズ』(ティム・バートン)
このところ奇抜な趣向だけが空回りし、やや精彩を欠いていたティム・バートンだが、“小品性”に徹した本作を撮り、映画の勘を取り戻したのでは――。そう思わせるほど、詐欺師的な夫の陰でゴーストぺインターとして生きた実在のマーガレット・キーンの半生が、軽妙な悲喜劇的なタッチでつづられる(下手すれば重くシリアスになってしまう題材だが)。
1950~60年代アメリカのライフスタイルやアートシーンのつぶさな再現もみごとだ。見終わって、ああ、いい映画だなあと感じ入った(2015/03/10、同/03/11の本欄参照)。
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