『PERFECT HUMAN』がウケた理由
2016年04月18日
前回、お笑いコンビ・オリエンタルラジオ(オリラジ)の藤森慎吾による「あ 動画です」が評判になっている話をした。その後もテレビで共演する田原俊彦とのバージョンなど、相変わらずシリーズとして続いているようだ。
連載 ネット動画の風景 [13]人はいかにしてユーチューバーとなるのか――「あ 動画です」、「YouTube クリエイター Meetup」……(WEBRONZA)
オリラジが率いるダンス&ボーカルユニット・RADIO FISHのこの楽曲、2015年12月の『爆笑問題の検索ちゃん 芸人ちゃんネタ祭りスペシャル!』(テレビ朝日系)、2016年2月の『ENGEIグランドスラム』(フジテレビ系)などで披露されたのを機に俄然注目され、iTunes総合チャートで1位を獲得した。
作詞は藤森によるもの、3月には『ミュージックステーション』に出演して大きな反響を呼び、YouTubeで公開されたミュージックビデオもすでに再生回数2600万回を超えるなど、今年有数のヒット曲になりそうな勢いだ。
ただ、いま「ヒット曲」と書いたが、実はそう単純な話でもない。
例えば、『ENGEIグランドスラム』は音楽番組ではなくお笑いのネタ番組である。だが『PERFECT HUMAN』のオリラジの二人は、歌やラップ、ダンスのパフォーマーにしか見えない。
披露後のネットなどでの反応も、そのダンスのキレや曲の完成度を絶賛する声が多数上がる一方で、「これはお笑いなのか?」という困惑する声もあった。
とりわけ同じ芸人の目からするとそうだったようで、そのとき番組MCだったナインティナインも「何してんねん」「わかったからもう帰れ」などと曲の途中からツッコミを入れ始めていた。ネタ番組としては、珍しい光景である。
おそらくポイントはここにある。
裏を返せば、『PERFECT HUMAN』にはツッコミがない。ところが、
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