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国よりも「ヒューマニズム」を選んだ男たちの群像

韓国映画「工作 黒金星と呼ばれた男」が描く南北分断の裏側

徐台教 ソウル在住ジャーナリスト


拡大「黒金星」ことパク・ソギョン(ファン・ジョンミン) © 2018 CJ ENM CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED

国益とヒューマニズムの間で

 そんな二人を突き動かすのは「国益」だ。時は90年代後半。北朝鮮の核開発に端を発する第一次核危機は米朝の手打ちによりいったん縫合されたが、なおもくすぶり続けていた。さらに北朝鮮国内は94年の絶対的独裁者・金日成主席死去により、全土が「苦難の行軍」と呼ばれる混乱に陥り、100万人を超える餓死者が出る地獄となった。

 将校出身の黒金星・パクは韓国の安全保障のために、資本主義を学んだエリートのリ処長は北朝鮮の経済復興のため相手を最大限利用しようとする。その過程で、互いを信じるしかない二人はいつしか、運命共同体になる。確信を持てないものの、パクをスパイだと疑うリ処長は ・・・ログインして読む
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筆者

徐台教

徐台教(ソ・テギョ) ソウル在住ジャーナリスト

群馬県生まれの元在日コリアン3世。韓国・高麗大学東洋史学科卒。2017年5月からは韓国政治、南北関係を扱う日本語オンラインニュース「The Korean Politics(コリアン・ポリティクス)」を創刊し、現在は編集長。ソウル外国人特派員協会(SFCC)正会員。