勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
理想の社会を語るところから政治参画を始めよう
この抗議の声を上げた著名人らに対しては、激しいバッシングが相次ぎました。「潰す」「干されるぞ」「黙ってれば良いのに」といった攻撃的投稿が多々寄せられたのです。とりわけ、きゃりーぱみゅぱみゅさんへの攻撃は熾烈で、結局彼女は投稿を消してしまいました。
また、「人気商売なのだから政治的発言はやめておいたほうがいい」と“指南”をする人も数多くいました。民主主義国家の日本では、全ての国民に政治的発言をする権利と自由があるにもかかわらず、それを「芸能人なのだから」という理由で断念させようとするのは、民主主義そのものの否定です。
さらに、「何もしらないくせいに」(ママ)のように、マンスプレイニング(相手が自分より知識が無いと勝手に思い込んで、上から目線で物事を教えようとする言動で、主に男性から女性に向けられることが多い)も多々ありました。
たとえば、きゃりーぱみゅぱみゅさんに対しては、政治評論家の加藤清隆氏から「歌手やってて、知らないかも知れないけど」と、職業差別的発言が飛ばされています。これも十分相手を黙らせる効果があるものです。
このような一連のバックラッシュを受けて、芸能人の「政治的発言」について議論が巻き起こっています。ですが、今回はたんなる「政治的発言」とはやや違うように思います。
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