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結婚披露宴を自作自演したつかこうへい

『つかこうへいのかけおち'83』⑧

長谷川康夫 演出家・脚本家

 つかこうへいの映像作品の中で、最も「つからしい」とされるNHKドラマ『かけおち'83』。その制作過程を振り返る8回目です。前回はこちら

あの頃、つかが絶好調だった理由

 1970年代から80年代にかけ、ほぼ10年と少し、僕は若きつかこうへいの舞台や映像作品、また小説やエッセイなど活字の仕事を間近で見てきたが、それぞれの場面での好不調は、やはりあった。

 というより、つかの場合はその作品に向かう「ノリ」や「テンション」のようなものが、かなりわかりやすく結果に出てしまうのだ。小説などでは、途中嫌気がさし、ほっぽり出してしまうことも少なくなかった(たいてい何年か後には形になるのだが)。

 そんな意味で、『かけおち'83』というドラマに臨んだときのつかの調子は、たぶん飛び抜けてよく、何よりそれが作品の出来に繋がったのだと、僕は今になって思う。

 そして時期を考えると、つかのこのドラマに対する「やる気」のベースに、生駒直子との結婚があったような気がしてならない。まぁ、勝手な思い込みと笑われるかもしれないが。

拡大つかこうへい=1982年撮影

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筆者

長谷川康夫

長谷川康夫(はせがわ・やすお) 演出家・脚本家

1953年生まれ。早稲田大学在学中、劇団「暫」でつかこうへいと出会い、『いつも心に太陽を』『広島に原爆を落とす日』などのつか作品に出演する。「劇団つかこうへい事務所」解散後は、劇作家、演出家として活動。92年以降は仕事の中心を映画に移し、『亡国のイージス』(2005年)で日本アカデミー賞優秀脚本賞。近作に『起終点駅 ターミナル』(15年、脚本)、『あの頃、君を追いかけた』(18年、監督)、『空母いぶき』(19年、脚本)などがある。つかの評伝『つかこうへい正伝1968-1982』(15年、新潮社)で講談社ノンフィクション賞、新田次郎文学賞、AICT演劇評論賞を受賞した。20年6月に文庫化。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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