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つかこうへいの「縁」に導かれ、さらば俳優業

斉藤由貴を演出、テレビ、映画を書く側に

長谷川康夫 演出家・脚本家

新人・斉藤由貴のオーラを浴びた

 そしてちょうどこの頃、僕は別のコンサートを頼まれることになる。話を持って来たのは、かつて早稲田の劇団『暫』で共に過ごした市村朝一である。

 その時代のことは『つかこうへい正伝』で詳しく書いたが、市村もまた、初めて観たつかこうへいの芝居に腰を抜かし、自分の劇団を畳んでまで『暫』に参加してきた男だ。入れ替わるようにつかが離れて行ったため、以降の劇団運営を手がけるはめになり、結局4年ほどで芝居からは足を洗い、それからは東宝芸能という大手の会社で俳優のマネージャーとして働いていた。

 そんな市村の担当する新人女優がレコードデビューし、夏には全国ツアーが決まっているので、それを僕に任せたいというのだ。

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筆者

長谷川康夫

長谷川康夫(はせがわ・やすお) 演出家・脚本家

1953年生まれ。早稲田大学在学中、劇団「暫」でつかこうへいと出会い、『いつも心に太陽を』『広島に原爆を落とす日』などのつか作品に出演する。「劇団つかこうへい事務所」解散後は、劇作家、演出家として活動。92年以降は仕事の中心を映画に移し、『亡国のイージス』(2005年)で日本アカデミー賞優秀脚本賞。近作に『起終点駅 ターミナル』(15年、脚本)、『あの頃、君を追いかけた』(18年、監督)、『空母いぶき』(19年、脚本)などがある。つかの評伝『つかこうへい正伝1968-1982』(15年、新潮社)で講談社ノンフィクション賞、新田次郎文学賞、AICT演劇評論賞を受賞した。20年6月に文庫化。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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