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河瀨直美監督への文春砲で見えてきた全能感と甘え上手がちょっと痛い

矢部万紀子 コラムニスト

 映画監督の河瀨直美さんが週刊文春に書かれたことを知り、反射的に思い出したのが「出る杭は打たれる」という日本語だった。広辞苑で引くと、「すぐれて抜け出ている者は、とかく憎まれる。また、さしでてふるまう者は他から制裁されることのたとえ」とあった。確かに河瀨さん、すぐれて抜け出ているなあ。

 と思ったままにしていたが、河瀨さんの記事、2度目もあった。「すぐれて抜け出ている」にしても、穏やかでない。読んでみた。

 最初は「カメラマンを『腹蹴り』」(5月5・12日特大号)、次は「スタッフ顔面殴打」(6月2日号)だった。前者については河瀨さんが代表を務める有限会社「組画(くみえ)」がホームページで「防御として、アシスタントの足元に自らの足で抵抗しました」etc.と説明、それとは別に河瀨さんと「撮影助手A」の連名で「既に当事者間で解決をしていることであります」とも発表している。2度目の記事への説明などは6月1日現在、ない。

東京五輪公式映画の完成披露試写会で挨拶する河瀬直美監督=2022年5月23日、東京・六本木拡大東京五輪公式映画の完成披露試写会で挨拶する河瀨直美監督=2022年5月23日、東京・六本木

 週刊文春はこのところ、映画界における「性加害」告発をリードしてきた。そこに河瀨さんが、「さしでてふるまっている」と証言する人が現れた。これは記事にせねば。週刊文春編集部の判断はこんなところだろう。

 記事通りならパワハラと言われても止むを得ない。が、真偽をジャッジするつもりはない。ただ河瀨さんという女性について思うことが少しだけあったので、書いてみる。

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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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