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『笑っていいとも!』とタモリ、たけし、さんまの「お笑いビッグ3」

[7]番組が映し出した3人の関係性

太田省一 社会学者

「お笑いビッグ3」誕生の瞬間

 そうしたなか、いよいよ「お笑いビッグ3」が誕生することになる。きっかけは、フジテレビが始めた『FNSスーパースペシャル 一億人のテレビ夢列島』、いわゆる『27時間テレビ』での3人の共演である。近年はコロナ禍もあってだいぶ趣も変わったが、この長時間生番組は、かつてはフジテレビ恒例の年に一度の一大イベントであり、「祭りとしてのテレビ」を象徴する番組だった。

 その第1回の放送は、1987年7月のことである。総合司会は、タモリとさんま。この後ふれるように、2人は『いいとも!』のトークコーナーで週に一度共演するようになっていた。『いいとも!』と同じく、横澤彪が『27時間テレビ』のプロデューサーを務めていたこともあって、この2人に白羽の矢が立った。

 では、ビートたけしはなにをしていたかと言うと、謹慎中だった。前年の暮れ、自分の私生活を記事にしようとした際の写真週刊誌『フライデー』の強引な取材などに不満を募らせたたけしは、弟子のたけし軍団とともにその編集部に殴り込むという「フライデー襲撃事件」を起こしていた。その後、反省の意味で長期の謹慎に入っていたのである。

 そして約半年の謹慎の後、芸能活動に復帰。そのタイミングでの、『27時間テレビ』だった。

 出演が予告されていたたけしが登場したのは、タモリとさんまが待つ深夜のトークコーナーである。話は当然謹慎のことに及んだ。ただ、そこに深刻さはまったくと言っていいほどなかった。たとえば、たけしが日焼けしているのをツッコまれ、実はゴルフ三昧だったことが露顕する。するとたけしが「ダメだよ、ずっと家で読書していることになっているんだから」と返し、さんまが

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筆者

太田省一

太田省一(おおた・しょういち) 社会学者

1960年、富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『紅白歌合戦と日本人』、『アイドル進化論――南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』、『中居正広という生き方』(いずれも青弓社)、『SMAPと平成ニッポン――不安の時代のエンターテインメント 』(光文社新書)、『ジャニーズの正体――エンターテインメントの戦後史』(双葉社)など。最新刊に『ニッポン男性アイドル史――一九六〇-二〇一〇年代』(近刊、青弓社)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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