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エリザベス女王と美智子さまと眞子さん、王室・皇室という「家」の行方

矢部万紀子 コラムニスト

 14歳だったエリザベス女王(当時は王女)をNHKで見た。9月12日放送の「クローズアップ現代」が女王を特集、初めてのラジオ出演の映像が流れたのだ。第二次世界大戦下、1940年のことだった。

 マイクの前にはエリザベスと妹のマーガレットという2人の王女。「今、多くの子どもたちが家を離れ、両親と離れて暮らしています。きっとみなさんは故郷のことをいつも思い出しているでしょう」。スピーチは専らエリザベスで、最後に「2人からおやすみを言いますね」と言った。「さあ、マーガレット」と促す。「おやすみなさい」というマーガレットに続き、エリザベスの「おやすみなさい、みなさん頑張って」でスピーチは終わった。

 姉妹の良い雰囲気が伝わる終わり方だった。イコール親近感。戦時下だから、効果はずっと大きかったはずだ。エリザベスがひとりの少女であると同時に、「ジョージ6世の長女」であると思わせた。大人が演出したのかもしれないが、女王の片鱗を見せたと思う。

2018年 Lorna Robertsshutterstock拡大Lorna Roberts/Shutterstock.com

筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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