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『ちむどんどん』の暢子もまた、沖縄的で過剰なヒロインだった

『ちゅらさん』『純と愛』……沖縄朝ドラに見る“困った娘たち”の系譜

菊地史彦 ケイズワーク代表取締役、東京経済大学大学院(コミュニケーション研究科)講師

どこか過剰な沖縄のヒロイン

 最初の沖縄朝ドラである『ちゅらさん』(2001年度上半期、脚本:岡田惠和)のヒロイン、古波蔵恵里(こはぐらえり、国仲涼子)は、子ども時代に離島・小浜島で、東京の少年・上村文也(小橋賢児)と交わした結婚の約束を守るために、何の当てもなく東京へ飛び出していく。偶然再会した文也には恋人がおり、恵里はいったん諦めかけるものの、告白を敢行する。

続編も作られた人気作「ちゅらさん」の収録風景から2013拡大続編も作られた人気作『ちゅらさん』の収録風景。中央が古波蔵恵里役の国仲涼子さん

 恵里の行動形態はほぼストーカーなのだが、彼女は怯まない。略奪愛を成就する彼女の大義名分は、幼い者どうしとはいえ確かに交わし合った契りである。私は、恵里と文也の約束に対する「非対称」的態度を沖縄と日本の関係の比喩として見たこともある(「『ちゅらさん』という物語──沖縄-本土の「非対象」な約束は守られたか」『論座』、2022/3/17)。

 『ちゅらさん』の10年ほど後には、NHK大阪が製作した『純と愛』(2012年度下期、脚本:遊川和彦)という作品がある。宮古島と大阪を舞台に、ホテルの再生に取り組むヒロイン、狩野純(かのうじゅん)を夏菜が演じた。

「純と愛」の最終シーンを撮り終え、笑顔を見せるヒロイン純役の夏菜=NHK大阪放送局2013年2月拡大『純と愛』のヒロイン、純を演じた夏菜さん=2013年2月、NHK大阪放送局

 このドラマがとにかく凄いものだった。

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筆者

菊地史彦

菊地史彦(きくち・ふみひこ) ケイズワーク代表取締役、東京経済大学大学院(コミュニケーション研究科)講師

1952年、東京生まれ。76年、慶應義塾大学文学部卒業。同年、筑摩書房入社。89年、同社を退社。編集工学研究所などを経て、99年、ケイズワークを設立。企業の組織・コミュニケーション課題などのコンサルティングを行なうとともに、戦後史を中心に、<社会意識>の変容を考察している。現在、株式会社ケイズワーク代表取締役、東京経済大学大学院(コミュニケーション研究科)講師、国際大学グローバル・コミュニケーションセンター客員研究員。著書に『「若者」の時代』(トランスビュー、2015)、『「幸せ」の戦後史』(トランスビュー、2013)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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