「地獄」をつくったのは無関心な私 脱消費税を掲げ、旧体制と闘う
2019年12月24日
世界をみると、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんのような若者をふくめ、様々な人たちが社会運動や政治活動にとりくみ、思いを伝えよう、実現しようと活動しています。一方、日本ではそうした活動はあまり活発とはいえません。反原発運動から政界に入り、自身「デモから生まれた政治家」だと話す、れいわ新選組の山本太郎代表に、体験や政治参加の意義、課題などを聞きました。(聞き手 朝日新聞編集委員・松下秀雄/インタビュー写真 小林正明)
――重い障がいがある、れいわの木村英子、舩後靖彦両参院議員が国会で初の質問に臨みました。傍聴して私が感じたのが「この質問は私にはできない」ということでした。木村さんは車イス用トイレが多機能トイレになって障がいのある人には使いにくくなり、困った経験を紹介した。舩後さんは筋萎縮性側索硬化症(ALS)が進行して人工呼吸器をつけるか否か、つまり生きるか死ぬかの選択を迫られ、生きる意味を考えた経験を伝えました。初質疑の感想は?
山本 「感慨深い」の一言で片付けるのはもったいないくらいです。障がい者政策に光をあて、発言した議員は数々いたと思いますが、当事者が国会に入ることで大きく動くのを目の当たりにしました。
お二人の質問をみて、私も知らなかったことがありました。障がい者のみならずいろんな方々が多機能トイレを使うようになれば混雑し、使える確率が低くなるのはあたりまえですね。木村さんの訴えに対して国土交通大臣がしっかり受け止める姿勢を示されたのも印象的でした。私が参議院にいた時は、そんなに声を聞く姿勢ではない大臣が結構いましたから。やはり当事者がいうパンチの強さというか、影響力は大きいと思いました。
もう一つ、舩後さんという存在。いきなり電子音声で質疑が始まる。つくってきた原稿を秘書が読み上げ、その場で文字盤を使って再質問をつくる。舩後さんもちょっと焦ったと思うんですよ。意思表示をするのにはどうしても時間がかかるのに持ち時間は25分と決められているから。
最初は、再質問をつくる間も時計を止めないという話だったんです。それでは持ち時間が減るので「それはないだろ」と言っていたんですけれど、結局は止めてくれることになったらしい。国会も二人の存在に学びながら、いままさに変化しているということだと思います。
――国会議員のほとんどは「健常者」といわれる人たちで、しかも比較的裕福な中高年男性が多い。国会がそういう構成だから、選択的夫婦別姓や同性婚が認められなかったり、障がいのある人が十分な介助を受けられなかったりするのではないでしょうか。議員の偏りについてどう思いますか。
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