安東量子(あんどう・りょうこ) NPO法人福島ダイアログ理事長
1976年、広島県生まれ。2002年から福島県東白川郡鮫川村、04年からいわき市在住。11年12月、ボランティア団体「福島のエートス」を設立。自営業(植木屋)。著書に『海を撃つ―福島・広島・ベラルーシにて』(みすず書房)、共著に『福島はあなた自身―災害と復興を見つめて』(福島民報社)がある。
※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです
トリチウム水の海洋放出問題
東京電力福島第一原子力発電所内に大量に保管され続けている「水」の処理についての議論は大詰めを迎えている。この原稿が発表される頃には、また新しい動きが報じられているかもしれない。もっとも、大詰めを迎えているとは述べたが、実際のところ、ここ数年にわたって議論に大きな進展は見られず、人を変え言葉を変え同じ話が繰り返されているのが実態であるように思える。
福島第一原子力発電所で発生している「水」の処理にあたって、大きな障害となっているのが、特に近隣海域で操業を行っている漁業への影響、いわゆる「風評被害」であると言われている。
(注1)国連科学委員会「東日本大震災後の原子力事故による放射線被ばくのレベルと影響に関するUNSCER2013年報告書刊行後の進展 国連科学委員会による今後の作業計画を指し示す2017年白書」