2010年12月23日
懲戒免職となったのは、今年6月に大阪市中央区の道頓堀川で千円札約10万円分と5千円札1枚を拾ったとされる2人と、2009年7~10月ごろに道頓堀川で15万円を拾ったとされる5人(うち1人は6月の件と重複)の計6人。二つのケースとも拾った現金を山分けしていたとされる。市の事情聴取に対し、5人は着服を認めたが、1人は「記憶にない」と話しているという。
懲戒免職と停職の27人のうち19人が、現金とは別に、私鉄や市営地下鉄のプリペイドカードや商品券などの有価証券を拾って私的に使っていたことを認めているという。
この問題は、懲戒免職になった男性職員が着服の様子をビデオで隠し撮りして内部告発して発覚。この職員は、現金を山分けして約5万円を受け取った後、別の職員の立ち会いのもとで、抜き取った元のかばんに現金を戻して廃棄したという。だが、市は「最終的に捨てても、いったん支配下に置けば遺失物等横領罪は成立すると弁護士から指摘を受けた」と説明。調査の過程で、職員が日ごろから職場で同僚に脅迫的な言動をして職場の秩序を乱していたことが判明したとし、その点も懲戒免職の理由に含まれるという。
この職員は朝日新聞の取材に「不正な行為をしている職員に怒ったことはあるが、脅迫とか恫喝(どうかつ)とは違う」と語り、近く処分に対し不服申し立てをする意向を述べた。
この問題を受け、市は来年度にも河川事務所を廃止し、業務を民間委託する方針を決めている。今回の処分で、市の今年度の懲戒免職者は29人(昨年度14人)となった。
■内部告発者「あんまりめちゃくちゃ」
大阪市環境局河川事務所の職員が河川で拾った金品を着服していたとされる問題は、42人もの市職員の処分という事態に発展した。懲戒免職となった6人には不正を内部告発した男性職員もおり、市の処分を不服として争う構えを見せている。
「あまりにむちゃくちゃ。報復としか思えない」。何らかの処分は予想していたという男性職員だが、退職金が出ない懲戒免職という厳しい処分に言葉をなくした。
男性職員は6~8月、同僚らが作業中に拾った現金を着服する様子を腕時計式のビデオカメラで隠し撮りし、その映像をおさめたDVDを市に提出した。今回、職員が処分されることになった6月の着服場面の映像も、DVDの中にあったという。
男性職員によると、道頓堀川で10万円余りが入ったかばんを拾った際、「ここで同僚と話を合わせないと、着服の全体像を明らかにできない」と考え、半分の約5万円を受け取り、その後、現金を戻したかばんを回収したほかのごみと一緒に捨てたという。この行為については同僚の目撃証言があり、市も事実として認定している。
男性職員は現金を捨てた理由について、「落とし主に返せればよかったが、だれが落としたのかが分からなかった。不正な金を持っているのが怖かった」などと話した。
平松邦夫市長は
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