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黒川検事長辞職 安倍政権の人事介入が招いた不幸な結末

村山 治

 あっけない幕切れだった。検事総長の座を目前にしていた黒川弘務・東京高検検事長が「賭け麻雀」報道を受けて辞職。7月末に定年で退官するとみられていた林真琴・名古屋高検検事長が急きょ、次期検事総長含みで黒川氏の後任になった。黒川氏の定年延長や検察庁法改正案に野党・マスコミばかりか「身内」の検察OBからも筵旗が立つ中での交代だった。林氏を次の検事総長にする人事は法務省がかねて構想したシナリオだ。大騒ぎの末、元に戻った格好だが、一連の騒動で浮上した「検察人事の政治からの独立」と「検察に対する民主的チェック」のバランスをどうとるか、という重い課題は残されたままだ。

●ツイッターの威力

拡大国会前でプラカードを上げて検察庁法改正案に抗議する男性=2020年5月15日午後7時3分、東京都千代田区、恵原弘太郎撮影
 芸
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筆者

村山 治

村山 治(むらやま・おさむ) 

 徳島県出身。1973年、早稲田大学政経学部卒業後、毎日新聞社入社。大阪、東京社会部を経て91年、朝日新聞社入社。2017年11月、フリーランスに。この間、一貫して記者。
 金丸脱税事件(1993年)、ゼネコン事件(93、94年)、大蔵汚職事件(98年)、日本歯科医師連盟の政治献金事件(2004年)などバブル崩壊以降の政界事件、大型経済事件の報道にかかわった。
 著書に「工藤會事件」(新潮社)、「安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル」(文藝春秋)、「市場検察」(同)、「特捜検察vs.金融権力」(朝日新聞社)、「小沢一郎vs.特捜検察、20年戦争」(朝日新聞出版)、「検察: 破綻した捜査モデル」(新潮新書) 。共著に「ルポ 内部告発」(朝日新書)、「田中角栄を逮捕した男 吉永祐介と 特捜検察『栄光』の裏側」(朝日新聞出版)、「バブル経済事件の深層」(岩波新書)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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