松瀬学
2011年04月25日
4月21日。地震による液状化現象で被害を受けた千葉・幕張のQVCマリンスタジアムをのぞけば、試合はあっという間に終わった。地元ロッテが渡辺俊介の力投で西武を7-1で下し、3連勝をあげた。試合時間がたったの2時間16分だった。
青空の下で高校野球並みのハイテンポのゲームを楽しむ。これぞ本来の野球の姿ではないか。よくよくみれば、チンタラした動きが消えている。投球間隔が短くなり、走者も全力疾走である。ファンと一体、「被災された人々を勇気づけるために全力プレーを」という意識が徹底されているからだろう。
ざっと今季の試合時間を調べてみたら、パ・リーグは34試合中15試合が、セ・リーグでは31試合中10試合が3時間を切っている。(25日時点)。近年、プロ野球として試合時間の短縮に取り組んでいるが、今のところ、いい傾向に向っているようだ。
どだいこれまでが長すぎた。昨年の公式戦、9回終了試合の平均時間は3時間13分もあった。ちなみに大リーグでは試合のテンポがプロ野球より速く、延長戦を除いた平均時間は2時間50分を切っている。高校野球の試合はおおよそ2時間そこそこで終わる。
試合方式に時間制限を付けたことで、当然、引き分け試合が増えることになる。接戦では早めの継投に踏み切る傾向が強まり、引き分け狙いの選手交代も多くなる。継投策、代打策と、どうしたって監督の采配がより勝敗を左右することになるだろう。
開幕時期に関して、セ・リーグが二転三転した。最後は選手&ファンの意向が反映される形になったが、巨人の渡辺恒雄会長のパワーの衰えがみえることになった。もはや「盟主巨人」「人気のセ・リーグ」という言葉は死語か。「がんばろう東北」を掲げる仙台の楽天に注目が集まり、話題性としてはパ・リーグがセ・リーグを凌駕しつつある。
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