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“なでしこ”に続け! 女子ラグビーはまず環境整備を

松瀬学

松瀬学 ノンフィクションライター

サッカーの日本女子代表(なでしこジャパン)が国民栄誉賞を受賞した。是非はともかく、他の女子スポーツには刺激となる。同じ球技の女子ラグビーも動き出した。

 受賞が決まった2日、女子7人制ラグビーの新チームの発足が発表された。横浜市の病院などを運営する医療法人柏堤会が立ち上げた『戸塚共立メディカルセブンズクラブ(TKM7)』である。ゼネラルマネジャー(GM)兼監督に元慶大監督の上田昭夫氏、ヘッドコーチに元東芝監督の花岡伸明氏を招請した。選手を系列の病院で職員として採用し、医療事務などに従事しながらラグビー活動にあたらせることになる。

 「“なでしこジャパン”に近付くためには、まだ環境が違いすぎる」と上田GMはいう。「まだチームが少なくて、大会もほとんどない。まず試合がなくてはダメでしょ。そしてコーチング。本格的にラグビーができるからだ作りから始めたい」。日本ラグビー協会と連携し、チームを女子7人制日本代表の強化拠点としたい意向も示した。

 新チームのターゲットを、7人制日本代表選手の育成強化におく。まずは実施が決まった2016年リオデジャネイロ五輪の出場を目指す。つまりは「アジアナンバーワン」。

 女子サッカーと比べると、女子ラグビーの土壌は脆くて弱い。国内の登録数はサッカーが約3万7千人、ラグビーは1千人ぽっち。素材発掘のため、2003年からユースのセレクションを始めたけれど、まだ競技人口も練習環境も心もとないのである。

 それでも五輪競技採用のおかげで、日本協会も強化に本腰を入れ出した。昨年から他競技からの転向者を探すため、「トライアウト」を重ねている。代表クラスの強化練習もぽつぽつとやり始めた。

 昨年、神戸製鋼のクラブ『SCIX』に女子チームが加わり、ユニークな企業支援型クラブ『Rugirl(ラガール)7』も発足した。ことし春、高校にも女子ラグビー部が誕生した。少しずつ、環境は改善されている。

 やはり一番の問題は

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筆者

松瀬学

松瀬学(まつせ・まなぶ) ノンフィクションライター

ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、早大卒業後、共同通信社入社。運動部記者としてプロ野球、大相撲、オリンピックなどを担当。02年に退社。人物モノ、五輪モノを得意とする。著書に『汚れた金メダル』(ミズノスポーツライター賞受賞)、『早稲田ラグビー再生プロジェクト』、『武骨なカッパ 藤本隆宏』。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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