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ラグビーW杯に思う――底からの育成を!

後藤正治 後藤正治(ノンフィクション作家)

私のラグビーファン歴は半世紀近い。取材ということでいっても、これまで選手や監督に随分とインタビューしてきた。決してラグビー通ではないが、多少の蓄積はある。そういう立場からいうと、ミもフタもない言い方になってしまうが、このたびのラグビーW杯の結果はまず予想通りという他にない。

 ラグビーの試合は、番狂わせはまずない。そのわけは、走る格闘技の集団戦という属性に由来すると思う。走力・筋力・技量・スタミナ……フィジカルな面での1人対1人の力量が1対0.9であるとする。僅差であるが、懸ける15となると随分と差が開く。

 サッカーにおいて、日本代表チームがブラジル代表と対戦した場合、30回に一度は勝つかもしれない。けれども、ラグビーにおいては、ニュージーランド代表(オールブラックス)とたとえ100回対戦しても勝利はおぼつかない。実力差が正直に出る。そういうスポーツなのだと思う。

 ラグビー史を振り返っていえば、かつて日本代表チームはオールブラックス・ジュニアを破る金星をあげたことがあった。イングランド代表をあと一歩まで追い詰めたゲームがあった。スコットランド代表に勝利した歴史的な試合もあった。いま、その再現はありうるか。まず期待薄である。

 この当時、ラグビー界はアマチュアリズムの世界だった。戦術面では日本代表が最先端を行っていた面もあった。加えて、“ヤマト魂”が残存していた時代でもあった。

 近年、世界的にプロ化が一気に進行し、戦術面の工夫はすぐに伝わり、乗り越えられていく。日本代表も年々強くはなっているのだが、それ以上に、勝つための戦術という意味では世界の方が急速に進んできた。

 では、どうすべきなのか。うーんと詰まってしまうのだが、ここは ・・・ログインして読む
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筆者

後藤正治

後藤正治(ごとう・まさはる) 後藤正治(ノンフィクション作家)

ノンフィクション作家。1946年京都市生まれ。京大卒。医療、スポーツなどをテーマに執筆活動を続けている。著書に『遠いリング』(講談社ノンフィクション賞)、『リターンマッチ』(大宅壮一ノンフィクション賞)、『スカウト』、『清冽――詩人茨木のり子の肖像』ほか。

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