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アジアカップに力点~代表は変化しているか

潮智史 朝日新聞編集委員

 アギーレ監督を迎えた日本代表チームは年内の6試合を3勝2敗1分けで終えた。

 当初、6試合のすべてを選手を見極めるテストの場にすると明かしていたアギーレ監督だが、最後のホンジュラス、オーストラリアとの2連戦はその狙いを少し薄めて、年明けすぐに始まるアジアカップへのチームづくりにより力点を置いたように思う。

 9、10月の同じ2連戦では大胆にメンバーを入れ替えてきたが、今回の連戦では、ひざを痛めたDF内田の起用を避けた以外は同じ先発メンバーを送り出した。実質的には同じチームで実戦の場を重ねたことになる。

 今回の代表23人を見ても、連覇のかかるアジアカップに向けて計算のできる選手を手堅く集めた印象が強い。

 1次リーグで敗退したワールドカップ(W杯)ブラジル大会代表だった長谷部、今野を呼び戻し、けがで召集できないでいた内田を加えた。ザッケローニ前監督の下で中心となった顔ぶれを使うことで、チームは格段に形を成した。ホンジュラス戦で選手間の距離が適度に保たれ、パスの行き来が滑らかになったのは、当然のことだった。

 現実的な判断を下したアギーレ監督らしいといえるが、その背景には日本サッカー協会からの進言もあったようだ。今回の代表選手発表の前に、協会の霜田技術委員長(強化担当)は「アギーレ監督に、この2試合でアジアカップへのシミュレーションをしっかりやりましょうと話して、了解をしてもらった」と話していた。

 アジアカップの開催国、オーストラリアを迎えた年内最終戦は引き締まった試合となったが、本番を想定するとそう簡単に2連覇を手にすることはないと考える。ライバルのひとつであるオーストラリアとは相変わらず力の差がないことがわかったし、韓国や中東勢などライバルとなる相手が多くひしめいている。

 23人のメンバーを予想すれば、今回の2試合と同様、W杯代表組が中心になりそうだ。テストを受ける立場だった遠藤、今野は安定した力を示したし、欧州組は現時点ではやはり頼りになる存在であることもアギーレ監督は確認できただろう。

 中央を固めるDFが手薄なことや、1点を追うような展開で必要な攻撃の切り札的な存在もまだ見当たらないが、チーム構成としては新鮮味はなさそうだ。先発争いに加わってくる新しい力となりそうなのは、武藤、柴崎、小林ぐらいか。W杯からはマイナーチェンジ程度にとどまるだろう。

 ただ、チームはアギーレ監督の色に少しずつだが、染まりつつある。

 ひとつは、試合の流れを感じ取って柔軟で臨機応変に進めようとしていることだ。オーストラリア戦前半は ・・・ログインして読む
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筆者

潮智史

潮智史(うしお・さとし) 朝日新聞編集委員

朝日新聞編集委員。1964年生まれ。87年入社。宇都宮支局、運動部、社会部、ヨーロッパ総局(ロンドン駐在)などを経て現職。サッカーを中心にテニス、ゴルフ、体操などを取材。サッカーW杯は米国、フランス、日韓、ドイツ、南アフリカ、ブラジルと6大会続けて現地取材。五輪は00年シドニー、08年北京、12年ロンドンを担当。著書に『指揮官 岡田武史』『日本代表監督論』。

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