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星稜のエースは球審として甲子園に帰ってきた

箕島との延長18回死闘。悲運のエースと球審が紡いだもうひとつの物語

城島充 ノンフィクション作家

拡大3回戦の箕島ー星稜、延長18回裏。四球を与えて大きく息を吐く星稜の堅田外司昭投手=1979年8月16日、甲子園球場

「レジェンド始球式」にはもう一人の主役がいた

 100回の歴史を重ねた夏の甲子園で企画された「レジェンド始球式」には、かつて聖地の主役として輝いたヒーローたちが次々と登場している。大会2日目の始球式には、1979年に箕島(和歌山)のエースとして春夏連覇を成し遂げた木村竹志(旧名・石井毅)さんがマウンドに立った。

 この始球式には、もう一人の主役がいた。当時の箕島と延長18回の歴史に残る激闘を演じた星稜(石川)の左腕エース・堅田外司昭さんである。

 堅田さんはマウンドの近くでかつてのライバルの投球を見守ったあと、そのままホームベースの後ろへ立った。彼がこの日の第1試合の球審を務めることがわかると、スタンドから大きな拍手が起こった。

 堅田さんは審判として甲子園に戻ってきた。その背景にあるサイドストーリーを筆者の取材ノートから紹介したい。

それは「神様が創った試合」と称された


筆者

城島充

城島充(じょうじま・みつる) ノンフィクション作家

関西大文学部仏文学科卒業。産経新聞社大阪社会部記者として遊軍、司法キャップを歴任。小児医療企画『失われた命』でアップジョン医学記事賞、『武蔵野のローレライ』で第7回文藝春秋『Number』スポーツノンフィクション新人賞を受賞。現在はフリーランスとしてスポーツを中心に幅広く取材、『Number』誌などで作品を発表。著書に『拳の漂流』(ミズノスポーツライター最優秀賞、咲くやこの花賞受賞)『ピンポンさん』など。児童書『にいちゃんのランドセル』『レジェンド』『義足でかがやく』『車いすはともだち』『がんばれピンポンガールズ』(いずれも講談社刊)も発表している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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