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マスクを拒否し、コロナを軽視するトランプ支持者がなぜ多いのか

東京・目黒区の人口が消滅しても、早期抑制が見込めない理由

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

なぜマスク着用がそれほど嫌なのか

大統領選後、集まったトランプ大統領の支持者たち。マスクをつける人はほとんどいない=2020年11月14日、ワシントン拡大大統領選後、集まったトランプ大統領の支持者たち。マスクをつける人はほとんどいない=2020年11月14日、ワシントン

 「ここは民主主義の国家でしょう。どうしてマスクなど強制されなくてはいけないの」

 そう主張するのは、イタリア系アメリカ人のパトリシアだ。事務職から引退し、現在は同じく定年退職した夫と二人でクイーンズ区とロングアイランドの境目に住んでいる。育った家庭も、夫も、共和党支持者であるという。

 彼女のように、「マスクをしない自由」を主張するトランプ支持者は多い。「小さな政府」を提言する共和党支持者は政府によって個人の権利が制限されることに、極端な拒否反応を示す(だが人工中絶の違法化は支持するという矛盾を抱えているのだが)。

 「でもパトリシア、運転するときに、シートベルトは締めるでしょ?」

 「もちろん」

 「ではなぜ、マスクにはそんなに拒絶反応をするの?」

 「だってマスクは付け心地が悪くて、息苦しくなるもの」

 こういう人々に、マスクは自分のためだけではなく、他者への感染を予防する意味もあるということを説明すると、必ず次のような返事がある。

 「だって私は健康よ。ウイルスに感染していないから、他人にうつす心配はないわ」

 だがCOVID-19は感染しても、無症状の人もいる。感染の自覚がない人々が、スーパー・スプレッダーとなった例は少なくない。その事実を指摘すると、今度は否定根拠の第2段階へと進む。

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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で、2018年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。ほかに『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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