松下秀雄
2011年06月20日
先日、ある外国人に国内政治の担当だと言ったら、「それは災害だね」と笑われた。日本の場合、政治そのものが災害だと言いたかったようだ。
返す言葉がなかった。
大震災から3カ月余り。いまなお4万人が体育館や公民館で暮らし、福島第1原発では放射能との戦いが続いている。
なのに、与党議員まで呼応して「菅おろし」の大騒ぎ。辞めるといったと思ったら、今度はいつ辞めるのか、早くしろとまた騒いでいる。
菅直人首相を弁護するつもりは毛頭ない。原発事故をめぐる情報開示の遅れなんて、ひどい話だと思う。けれども、菅さんが辞めればそれで解決するわけでもない。
だいたい、責めたてている側も天につばするようなものだ。
原発事故が「起きたあと」の対応を誤ってはならない。だが「起きる前」にぬかりなく備えていれば、惨事を避けられたかもしれない。事故の責任は、歴代の政権にかかわった各党、各政治家がともに負うべきだ。
それでも足を引っ張り合う――。「政治の病」は膏肓に入っている。治療法を探さなければならない。
■けんかが止まらず大連立?
これはどうかと取りざたされるのが、民主・自民両党の「大連立」だ。
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