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米国の最新鋭イージス艦が大阪寄港。その狙いとは?

谷田邦一 朝日新聞専門記者(防衛問題担当)

 弾道ミサイルを迎撃する能力がある米海軍のイージス巡洋艦「レイク・エリー」(満載排水量9600トン)が4月10日、大阪市の大阪南港に寄港した。同艦は弾道ミサイル防衛(BMD)のための最新鋭の実験艦として知られる。ハワイのパールハーバーを母港とし、新しく開発されたレーダーやコンピューターを積んで、2000年以来、次世代BMDの能力開発の最前線で活動してきた。

大阪南港沖に現れたレイク・エリー拡大大阪南港沖に現れたレイク・エリー=撮影・筆者
 なぜ大阪に? 直前まで韓国であった米韓合同演習「フォール・イーグル」に参加しており、乗員約350人の休養が目的らしい。

 同演習中の3月には、北朝鮮が対抗してスカッドやノドンなど多数の短・中距離弾道ミサイルを日本海に連射した。ひょっとして何か情報が得られるかもしれない。そう思って取材に出向いた。

 午前9時半、巨大な船体が岸壁にゆっくりと接岸。甲板には黒い制服に身を包んだ乗員たちが登舷礼(とうげんれい)の形でずらりと整列していた。

 一辺が5メートルほどあろうかという大きな船舶旗には「DONT GIVE UP THE SHIP」と大書されている。

 1813年にあった米英戦争の「エリー湖の戦い」で英海軍を打ち破った際、米艦がマストに掲げて戦ったとされる戦闘旗を模したものだ。艦名もこの海戦に由来する。

巨大な戦闘旗拡大巨大な戦闘旗=撮影・筆者
 「単なる寄港ではなく、日本と東アジア地域全体に対する取り組みを示すものだ」

 岸壁に降り立ち記者会見した艦長のジョン・バニガン大佐は、同艦が担う役割についてこう述べた。周辺国がもつ弾道ミサイルの脅威から、日本や韓国を守る重要な役割を担っているという自負が伝わる。

 率直に、3月26日の未明、北朝鮮が日本海に2発発射した弾道ミサイル「ノドン」の監視にあたっていたのかどうか尋ねてみた。

記者会見するバニガン艦長拡大記者会見するバニガン艦長=撮影・筆者
 「韓国海軍と合同演習をしたのは確か。日本とも演習をやったが、一緒に訓練を行うことは非常に重要だ。脅威は想像の産物ではなく、実際に起きている脅威であるから。
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筆者

谷田邦一

谷田邦一(たにだ・くにいち) 朝日新聞専門記者(防衛問題担当)

1959年生まれ。1990年、朝日新聞社入社。社会部、那覇支局、論説委員、編集委員、長崎総局長などを経て2013年4月から社会部専門記者(防衛問題担当)。主要国の防衛政策から最新兵器、軍用技術まで軍事全般に関心がある。防衛大学校と防衛研究所で習得した専門知識が、現実の紛争地でどのくらい役立つのか検証取材するのが夢。

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