メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

7月30日(火) 午前中、「報道特集」の定例会議。会議の前からすでに今週の特集の内容が決まっていた。何から何まで事前に決まっているのなら、生放送である必要がない。知人からきのうのBS―TBSにベネズエラの駐日大使が生出演していたと知らされる。毎日新聞と雑誌の連載の記事の書き分けを考える。毎日新聞には、参議院選挙のテレビ報道の不甲斐なさについて書く。

 13時から日本プレスセンターで、原子力市民委員会のブリーフィング。濱岡豊慶大教授が、福島県の甲状腺検査における「部会まとめ」の問題点を解説。放射線被ばくと甲状腺がんとのあいだに有意味な関係が認められるかどうか。それを認める人々と、認めない人々がいる。甲状腺検査をめぐって起きているこのアカデミズム内(外)の論争そのものに、なんだか日本の状況が凝縮されているように思う。

7月31日(水) 朝、早起きしてプールに行き泳ぐ。夏風邪をひいて以来、からだがなんだかナマっている。泳いで治そう。

 午後3時半すぎから、かんぽ生命と日本郵便の社長ら幹部の記者会見。保険の顧客に意図的に不利益を与えた(ということは、自社の利益を増やすために不正を働いた)疑いがある件数が途轍もない数にのぼっているおそれがあると。ひたすら謝っていたのだが、報道陣からの質問で、NHKの『クローズアップ現代+』のディレクターが真正面から責任を問う鋭い質問をしていた。これはめずらしいことだ。

 その後、イタリア映画『ドッグマン』をみる。おそろしくて、かつ救いのない映画だが、こころに刻印される映画だ。「クレスコ」の原稿。若い人たちの投票率の低さをめぐって書く。

8月1日(木) 今日も頑張って早起きしてプールに行き泳ぐ。背筋力が明らかに落ちている。泳いだ後にサウナで汗を流す。サウナにいるのは明らかに僕より年長のおっさんと2人だけ。BGMにはトロイメライがかかっている。何だかシュールな時間が流れているな。だがトロイメライはこころとからだに沁みた。

 13時から樹木希林さんの最後の出演映画となったドイツ映画『命みじかし、恋せよ乙女』。樹木希林さんの死の2か月前の演技。明らかに死期を悟っての希林さんの演技はすさまじい。映画全体のストーリーを超えて、食い入るようにみてしまった。人間は、徐々に(あるいは短く)、時間を費やして、ゆっくりと(あるいは急速に)、すべてが例外なく、死んでいく生き物なのだ。

 臨時国会に、れいわ新選組から当選した舩後靖彦議員と木村英子議員の2人が初登院。多くの報道陣が群がっていた。こんなに群がるのならば、なぜ投票日前に放送しなかったんだい、と嫌味のひとつも言いたくなる。もっともそれはカメラマンのせいではない。ニュースの項目や内容を決める人々の怯懦(きょうだ)と無能のせいだ。

初登院した「れいわ新選組」の舩後靖彦氏=2019年8月1日拡大初登院した「れいわ新選組」の舩後靖彦氏=2019年8月1日

 午後8時から新宿ピットインで渋さ知らズ「真夏の夜の夢」。今夜のライブのことは、渋さの沖縄ライブ「天幕渋さ」の時から教えられていた。森山威男、渋谷毅、林栄一、峰厚介といった日本のジャズ界のレジェンドが、今日は渋さと共演する上に、沖縄の「天幕渋さ」で初めて聴いた池間由布子も出た。会場は満杯で、3時間立ちっぱなし。Nも遅れて駆けつけたが身動きができないほど。池間由布子は沖縄の時より若干はしゃいでいた。オヤジ殺し。林栄一が「ナーダム」を吹きだした瞬間は、怖しい迫力だった。その後ESPA。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

金平茂紀の記事

もっと見る