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介護施設のスタッフの半分が外国人になる時代

介護は「不祥事に対する贖罪の行い」の場か。介護施設へ就職嫌がる日本人の親たち。

来栖宏二 アゼリーグループ 社会福祉法人江寿会理事長、医学博士

人材確保へモンゴルに

 私は8月初旬に技能実習生の採用面接のため、病院・介護施設を経営する医療法人、障碍者施設を経営する社会福祉法人とともにモンゴルを訪問した。医療法人は初めての外国人採用で10人以上の採用予定、障碍者施設は求人への日本人応募者があればすべて採用している状況で、障碍者業界での外国人採用は大変まれなケースだ。

 合同面接会には24人のモンゴル人候補者たちが集まり、候補者たちのほとんどは病院で勤務中の看護師だったが、4人の現役医師が含まれていたことには大変驚かされた。実習生候補者たちはその能力の高さと真剣さ、チャレンジ精神にあふれており、「子どもを親にあずけて日本に行きます」「日本へ行くことは、家族みんなで決めました」といった言葉が印象的だった。

 また、当然のことだが、彼女たちが日本へ行くことに大きな不安を感じていることも伝わってきた。

医療法人は9人、障碍者施設は3人、私たちは3人の合計15人の技能実習生が内定し、来年の夏を目指して日本語学校での勉強が始まる予定だ。しかし、内定後、家族の反対で辞退する候補者もいるようで、改めて感じたのは、技能実習制度は本人だけでなく、家族の人生にも大きな影響を与えるということだった。

50パーセントが外国人スタッフの時代へ

 私たちも10年を超える外国人雇用で様々な経験をしてきた。それはまさに人間が生きている限り避けて通れない問題である。

 突然出社しなくなったと思ったら、ご主人からのDVにより、職場に無断で帰国し、気が付くと何事もなかったように職場に復帰していたなんてことは序の口である。親族が殺人事件に巻き込まれて急きょ帰国になったケースもあれば、本国の家族に承諾が得られずに勢いで結婚出産し、子育て経験のある日本人スタッフがその外国人の家庭を交代で訪問し赤ちゃんのお世話をしたなど、日本人にでも起こりうること、あるいは異国の地であるが故にさらに解決が困難な問題も生じている。

 今年4月から、政府は「特定技能」という「技能実習制度」より基準を緩和した新たな枠組みを創設した。今後この制度を利用して、外国人が介護を含めた人手不足の業界にさらに増えてくるのは確実だ。制度的には介護保険施設ではスタッフの50%までは外国人スタッフを受け入れることが可能になった。東京都内のコンビニエンスストアのように、数年内に介護業界でも半数が外国人で運営されている施設が現れるかもしれない。

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筆者

来栖宏二

来栖宏二(くるす・こうじ) アゼリーグループ 社会福祉法人江寿会理事長、医学博士

1992年日本医科大学卒業。1999年特別養護老人ホームアゼリー江戸川開設。翌年新小岩平成クリニック開院。現在関東圏に多数の介護施設、保育施設等を運営している。また介護海外人材マネジメントについて講演・コンサルティングを行っている。 一般社団法人自立支援介護・パワーリハ学会理事 国立長寿医療センター客員研究員

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