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消費増税なしでベーシックインカム年金は実現する

野党政治家3人の「年金抜本改革チーム」提言-未来に希望が持てる年金制度へ

階猛 衆議院議員

はじめに

 9月20日、安倍首相を議長とし、関係閣僚と有識者から成る「全世代型社会保障検討会議」が始まった。「少子高齢化と同時にライフスタイルが多様となる中で、誰もが安心できる社会保障制度に関わる検討を行う」とする。

 報道によると、年金制度については、①一定の収入がある高齢者の年金額を減らす「在職老齢年金制度」の見直し、②現在70歳まで可能な「本人選択に基づく年金受給開始時期」のさらなる繰り下げ、③パート主婦など「短時間労働者の厚生年金加入」の拡大、などが議論される見通しだ。

 ①は就労意欲と能力の高い高齢者、②は当面年金に頼らず暮らせる高齢者、③は経営体力のある事業所で働く現役世代、にとってプラスであることは否定しない。

 しかし、就労が困難で保有資産も年金収入も乏しいような方にとって、「老後の貧困」を防ぐための処方箋とはなっていない。

 「誰もが安心できる社会保障制度」を目指すのなら、もっと抜本的な改革が必要だ。

 そこで、75歳以上の方に対しては、誰もがもらえて「老後の貧困」を防ぎうる月8万円の「ベーシックインカム年金」、65歳以上75歳未満の方に対しては、年金先細りを防ぎ現役時代の保険料負担に納得感が得られる「新たな基礎年金」。井坂信彦氏、井出庸生氏と私の3人で立ち上げた「年金抜本改革チーム」は、この二つを柱とする「年金抜本改革」を構想した。

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 そして、この改革イメージをより有用性、実現可能性の高いものとするため、年金制度や老後の生計に詳しい有識者の方々、国会図書館、衆議院調査室など国会のスタッフ、財務省、厚労省、国税庁など関係省庁から、大変貴重かつ有益な御指導、御意見を頂きつつ、議論を重ねてきた。

 議論の経過については、この『論座』で3回にわたり公表し、読者の皆さんからも様々なご意見を頂いた。とくに自民党の橋本岳代議士には、自身のブログで当チームの活動に対し、温かくも鋭い指摘をして頂いた。この場を借りて、当チームに関わって頂いたすべての皆様に厚く御礼を申し上げたい。

 本稿では、私たちの活動の成果として、「年金抜本改革チーム提言」を以下にお示しすることとしたい。


筆者

階猛

階猛(しな・たけし) 衆議院議員

衆議院議員(岩手1区)、盛岡一高野球部、東大野球部で投手。勤務先の長銀が経営破たん後、企業内弁護士として活動。2007年補選で初当選、以降小選挙区で5期連続当選。総務大臣政務官、民進党政調会長、国民民主党憲法調査会長などを歴任。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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