メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

米国民の良心と責任感を信じたい~トランプの説得に必要なこと

大統領選挙開票の混乱は全世界に影響

登 誠一郎 元内閣外政審議室長

米国の政治空白の長期化は世界にとって危険な状態

 米大統領選挙の開票が開始されてから4日後の11月7日(米国東部時間、以下同じ)に至っても6州が開票結果の確定発表を行っておらず、まだ選挙結果は決まっていない。特にペンシルべニアでバイデン候補がそれまであった70万票近い差を追いついて逆転した後は、ほぼ丸1日の間、この6州の開票状況の発表が滞っている。

 この背景にあるのは、選挙が大激戦であった上に、次第に追い詰められつつあるトランプ大統領支持派の過激なデモ行動などにより、各州の選挙管理委員会が開票作業と発表のタイミングについて、著しく慎重になったためと思われる。

拡大開票作業が続くジョージア州でのバイデン氏の逆転を伝える米CNNの番組

 今回の大統領選挙の本質を一言で表現すると、それは共和党対民主党の戦いではなく、また保守対リベラルの戦いでもなく、実際は「トランプ対反トランプ」の戦いと言えよう。それを反映して繰り広げられた選挙戦を通じて一層激化した党派間の対立は、開票結果の判明時期が近づくにつれてますます深刻となり、今や米国社会の分断は、秩序を著しく欠く状態を生みだし、政治は全く機能していない。

 このような状況において、万が一、その機会を利用して、米国内或は世界の安全保障上機微な地域において、いずれかの国あるいは武装集団が攻撃を仕掛けたり、威嚇したりしてきたら、平和と安定は適切に守れるのであろうか。

 このような緊急事態を想定するまでもなく、次の大統領の早期決定により、現在の政治空白を一日も早く終了させることが、米国だけでななく、全世界の利益であると確信する。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


関連記事

筆者

登 誠一郎

登 誠一郎(のぼる・せいいちろう) 元内閣外政審議室長

兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、外務省入省(1965)、駐米公使(1990)、ロサンジェルス総領事(1994)、外務省中近東アフリカ局長(1996)、内閣外政審議室長(1998)、ジュネーブ軍縮大使(2000)、OECD大使(2002)を歴任後、2005年に退官。以後、インバウンド分野にて活動。日本政府観光局理事を経て、現在、日本コングレス・コンベンション・ビューロー副会長、安保政策研究会理事。外交問題および観光分野に関して、朝日新聞「私の視点」、毎日新聞「発言」その他複数のメディアに掲載された論評多数。

登 誠一郎の記事

もっと見る