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人間として扱え! 衆院選で問われている、至極あたりまえのこと

この国に足りない「人権」を根づかせる一歩に

松下秀雄 「論座」編集長

泥棒してない。人間殺してない。何のために私、つかまった?

 次の映像もご覧いただきたい。デニズさんにインタビューした映像を3分ほどに編集したものだ。

 デニズさんは、こんなことも言っていた。

 「何やった私? 泥棒してない。人間殺してない。痴漢じゃない。何のために私、つかまった? 私が悪いんだったら裁判して。私、刑務所に入りたい。なんでここ(入管の収容施設)に入る? 何もしないで3年も4年もつかまるのはいちばん精神的に悪い」

 人を傷つけたわけでも、物を盗んだわけでもないのに、裁判を経ることもなく、自由を奪われる。期限の定めもないから、いつになったら出られるのか、さっぱりわからない。そんな状況に置かれたら、あなたは絶望せずにいられるだろうか。

入管に収容されていたときの体験や、仮放免後の暮らしについて語るデニズさん

ペットだって、ずっとオリに入れられていたら

 デニズさんはトルコでの迫害から逃れるため、2007年に来日した。日本を選んだのは「安全で平和なよい国」だと聞いたからだ。

 日本人の女性と結婚したが、入管は夫妻を引き裂き、デニズさんを4年にわたって収容した。収容の理由について、職員から「日本でオリンピックが開かれる。日本の安全のために(施設から)出さない」と聞かされたという。生きるためにめざした「安全な国」は、安全の名のもとにデニズさんの自由を奪い、閉じ込めたのである。

 妻が面会に訪ねるたび、デニズさん

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筆者

松下秀雄

松下秀雄(まつした・ひでお) 「論座」編集長

1964年、大阪生まれ。89年、朝日新聞社に入社。政治部で首相官邸、与党、野党、外務省、財務省などを担当し、デスクや論説委員、編集委員を経て、2020年4月から言論サイト「論座」副編集長、10月から編集長。女性や若者、様々なマイノリティーの政治参加や、憲法、憲法改正国民投票などに関心をもち、取材・執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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