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世襲の国会議員が多すぎる! 日本政治の異常とリスク~なぜこんなに増えたのか?

世襲議員ばかりが担う政治から多彩な非世襲議員が活躍できる政治にどう転換するか

落合貴之 立憲民主党衆院議員

人材の活用が必要な時期だからこそ

 作家の塩野七生さんは、『ローマ人の物語』の中で次のように書いています。

――人材は、興隆期にだけ現れるのではない。衰退期にも現れる。しかもその人材の質は、興隆期には優れ衰退期には劣るわけではないのだ。興隆期と衰退期の人材面での唯一のちがいは、興隆期には活用されたのに衰退期に入ると活用されない、ということだけである。

 残念ながら、日本はいま、高度成長期のような興隆期ではなく、衰退期にあるように見えます。とはいえ、このまま衰退の道を辿っていいはずはありません。必要なのは、人材を興隆期以上に活用するということです。

 日本の舵取りをする政治家のレベルをもっと上げるためにも、世襲の人が国会議員になれる可能性が段違いに高い現状は改めるべきだと思います。国会議員になる機会は均等にしなければなりません。為政者たちが、自分の子どもたちを優先してその地位に就けるというのは、この国のことを思っての行動とは到底思えません。

 政治が劣化をすれば、国はあやうくなります。コロナパンデミック、ウクライナ戦争などを経て、日本や世界は今、大きな転換期にあります。政治を担う有為の人材をどうつくっていくかがますます重要です。そのためにはどこから手を着けたらいいのでしょうか。

 立候補の自由は憲法でも保障された重要な権利です。しかし、国会議員になる機会の均等を図るためにも、相続税や贈与税がかからない、政治資金をプールした政治団体の世襲は認めないことを法律で定めるとか、各党の内規などで同一選挙区の世襲を認めないといった何らかの制限を定めるべきでしょう。多様な人材の確保のため、政治塾や対話集会をひらくなど、各政党のより一層の努力も欠かせません。

 世襲議員ばかりが担う政治から、多彩な非世襲議員が活躍できる政治に変えられるかどうか。日本の命運はそこにかかっているといっても過言ではありません。


筆者

落合貴之

落合貴之(おちあい・たかゆき) 立憲民主党衆院議員

1979年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。三井住友銀行行員、衆議院議員江田憲司秘書などを経て、2014年衆院議員初当選、現在3期目。衆議院経済産業委員会野党筆頭理事、党政調副会長など歴任。著書に『民政立国論 一人ひとりが目指し、挑み、切り拓く新世界』(白順社)。東京6区。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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