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 今回の震災、とりわけ原発事故とそれへの対応をめぐって、科学技術あるいは「近代科学」のあり方そのものを問う議論が様々なレベルで起こってきていることは言うまでもない。もちろんこれは巨大かつ複雑に入り組んだテーマであり、たとえばそれを、単純な近代文明批判といった視点のみで論じることは困難だろう。しかしそれでもなお、科学ないし近代科学のありようそれ自体が根本から問われていることは確かであり、ここでは、やや個別の事象から距離を置いたものではあるが、今後の科学・技術のあり方を考える一つの観点として、「ケアとしての科学」という方向について考えてみたい。
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筆者

広井良典

広井良典(ひろい・よしのり) 京都大学こころの未来研究センター教授(公共政策・科学哲学)

1961年生まれ。84年東京大学教養学部卒業(科学史・科学哲学専攻)。厚生省勤務、千葉大学法政経学部教授を経て現職。この間、マサチューセッツ工科大学客員研究員。社会保障、医療、環境などをめぐる政策研究からケア、死生観などについての哲学的考察まで幅広く発信。『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書)で第9回大佛次郎論壇賞を受賞した。

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