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 理化学研究所のスーパーコンピュータ(以下スパコン)「京」が、LINPACKベンチマークで、10ペタフロップス毎秒の計算速度を達成し、現在のところスパコン世界ランキング1位となっている。

 これは言うなれば、レーシングカーの直線での最高速度とか、加速性能とかに対応する指標である。実際のプログラムでの計算速度は、これを下回る。

 「京」をはじめとする現在のスパコンは、単一の非常に速いプロセッサが計算しているわけではない。大規模並列計算機と言って、非常に多くのプロセッサが互いに通信して、演算の途中結果を受け渡しながら計算していく方式である。

 一般に、計算過程でプロセッサ間の通信が少ないほうが実行計算速度は大きくなり、通信が多くなるとデータの受け渡しやプロセッサの待ち時間が発生して、計算速度は落ちる傾向にある。また、プログラムの中には、多くのプロセッサを活用しにくい、つまり、一つか数個のプロセッサにしか計算を割り当てられないようなものもあり、これらを高速演算するのはきわめて困難である。つまり、スパコンの能力を発揮させるには、ソフトウエアの出来が勝負どころとなる。

 「京」は、現在2位の中国のマシンとは、4倍の性能差である。しかし、アプリケーションソフトウエアの出来次第では、4倍程度の違いはすぐに出てくる。

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筆者

北野宏明

北野宏明(きたの・ひろあき) ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長

ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長兼所長。1984年国際基督教大学教養学部理学科卒業後、日本電気に入社。88年米カーネギー・メロン大学客員研究員。91年、京都大学で博士号(工学)を取得。1993年ソニーコンピュータサイエンス研究所入社、犬型ロボットAIBOなどの開発にかかわった。2008年に現職。NPO法人システム・バイオロジー研究機構会長を兼務。Computers and Thought Award (1993)、ネイチャーメンター賞中堅キャリア賞(2009)などを受賞している。

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