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DRAM製造で世界3位のエルピーダメモリが2月28日に倒産した。2月29日の日経新聞の社説に次のような記載がある。「半導体産業、とりわけDRAMの分野は直径30cmのシリコン製円盤(ウエハ)からできるだけ多くの半導体チップを切り取る技術の競争だ」。

 大いに間違っている。実は日経新聞だけでなく、多くの半導体関係者、アナリスト、学者も、同じ誤認識をしている。本稿ではこの社説のどこが間違っているかを示し、その上でエルピーダ経営破綻の真相に言及したい。

 直径30cmのウエハ上には1000個程度のDRAMが形成されるが、その良品の割合を歩留りという。よりたくさんのチップを取得するためには、次の二つの要因が鍵となる。まずチップ面積をなるべく小さくすること、次に極力歩留りを上げることである。

 事実、エルピーダをはじめ、多くの半導体メーカーが回路パタンを微細化してチップサイズを縮小させ、歩留り向上のために日夜、プロセスや装置の改善に血道をあげている。

 では、日経新聞の社説のどこが間違っているのか?

 例えば、エルピーダが世界最小のチップサイズのDRAMを設計開発し(最近そういう報道もあった)、その歩留りが100%だったとしよう(実際にサムスンより歩留りが高いという噂もある)。

 しかしこれだけでは不十分であるし、それどころか盲目的にこういった開発や改善をしたからこそ破綻したのである。一体どういうことか? ・・・ログインして読む
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筆者

湯之上隆

湯之上隆(ゆのがみ・たかし) コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

1987年京大修士卒、工学博士。日立などで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、各種雑誌への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北-零戦・半導体・テレビ-』(文書新書)。趣味はSCUBA Diving(インストラクター)とヨガ。 【2016年8月WEBRONZA退任】

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