2012年08月13日
火星サイエンスラボラトリーミッションのプロジェクト主任研究員であるジョン・グロツィンガー氏によると、キュリオシティの使命は、地球で最初の生命が誕生したころの火星の状態を探ることにある。火星のほうが地球より過去の状態が保たれているので、火星の過去を明らかにすることは、間接的に地球での生命誕生の歴史を理解することに役立てられる。それが、今回の最大の目的である。
生命が存在するためには、水、エネルギー、炭素の三つの要素が必要とされている。今までの火星観測・探索では、過去に水が存在し、現在もしばしば存在していることがわかっている。また、生命の代謝に必要なエネルギーを生み出す化学反応が火星のどのあたりに存在した可能性があるか、という見当もある程度ついている。
しかし、生命の誕生、また、その後の生命活動の維持を可能にする炭素がどこに存在するのかについては未だに明らかになっていない。そこで、これを明らかにし、その痕跡を発見することが、キュリオシティの主たる役目である。地質学的時間を数十億年もさかのぼることは容易ではない。それでも、キュリオシティにはそのことを可能にする機能が二つ搭載されている。
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