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人間の体の約60%は水である。そこで、たまたまブックオフで手に入れた上平恒著『水とはなにか』(講談社ブルーバックス)を病床で読んで、人間の体温と水の関係について大変面白い現象を知った。

 まず話は、人間の体温とは一見関係がなさそうな、2枚のガラス板の分離圧に言及している。水の中で合わせた2枚のガラス板を引き離すには分離圧が必要となる。その分離圧は水の温度によって大きく変わるのだが、驚くべきことに、15℃、30℃、45℃、60℃に大きなピークがある(図1)。

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 ペーシェルとアドルファンガ の実験によるこの結果は、水の構造変化によるものと考えられているが、何故このように著しい変化を示すかについては未だ明快な説明がなされていない。それにしても、きっちり15℃刻みでピークが現れることは、摩訶不思議としか言いようがない。

 そして更に驚くことに、上記の分離圧の温度ピーク、15℃、30℃、45℃、60℃が生物にとって危険な温度であるという。

 生物は細胞からできている。また様々な器官がある。そのため、生物のからだには無数のすきまがあり、これが体液で満たされている。二枚のガラス板の分離圧が温度によって著しい変化をするわけだが、

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筆者

湯之上隆

湯之上隆(ゆのがみ・たかし) コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

1987年京大修士卒、工学博士。日立などで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、各種雑誌への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北-零戦・半導体・テレビ-』(文書新書)。趣味はSCUBA Diving(インストラクター)とヨガ。 【2016年8月WEBRONZA退任】

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