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3歳から始まるフランスの義務教育

9月入学を議論する前に「初等教育のあり方」について考えてみよう

高橋ペイラニ留愛 フリーランス(執筆・翻訳)

3 さて、フランスの義務教育の定義ですが、3歳から幼稚園に通わせることが親の義務という意味なのでしょうか? あるいは、親が希望すれば幼稚園が受け入れなくてはならないという意味ですか?

 教育を受けることは3歳から強制になりますが、幼稚園や学校に通うことが強制ではありません。義務教育の期間中、フランス政府のカリキュラムに沿った教育を受けることができれば、場所は公立幼稚園・公立校、私立校、自宅のどこでも構いません。ただし、自宅の場合には、家庭教師や通信講座などによる教育修了証明が必要になります。子供に教育する機会を与えなかった場合、1500ユーロの罰金があります。ちなみに、幼稚園でも成績表があり、学習指導に沿った内容をきちんと習得できているか評価されます。

4 幼稚園はいつから始まるのですか?

拡大高橋さん夫妻と長男のテオ君
 新学期は9月です。幼稚園の入園は、その年(今年の場合、2020年1月1日から12月31日の間)に3歳になる子供が対象となります。日本のように4月2日から翌年の4月1日ではないので、分かりやすいです。9月の入園時点では3歳と2歳の子供がいるので、フランスでは12月生まれは不利だ、とよく言われます。

5 幼稚園での経費負担はどうなっているのでしょう?

 学費は無料です。ただ、年度が始まる前(夏休み中)に学用品を準備するのと、年度始めにクラスで使うものやクラスの活動支援金を準備する必要があります。他に、子供が食堂で食べている家庭は、食堂支援金と毎月の食堂代がかかります。

 いずれも学校や先生によって違いがありますが、テオが通っている幼稚園では以下のようになっています。

  • 学用品:スモック(制服)のみ(ただし、隣の幼稚園はスモックの他に色ペン、色鉛筆、クレヨン、ノートなどが必要)
  • クラスで使うもの:ミネラルウォーター、ティッシュ、ウェットティッシュ、A4のプリント用紙など
  • クラスの活動支援金:子供一人当たり25ユーロ(年間。子供が2人以上通っている家庭は一人当たり20ユーロ)。これは義務ではありませんがほとんどの親が支払います。まれに、クラスの活動支援金で賄えない分の費用が余分にかかる場合もあります(例えば、劇場での演劇鑑賞代3ユーロなど)
  • 給食:ニースの幼稚園の場合、食堂支援金として子供一人当たり5ユーロ(年間)、さらに一食2.95ユーロ、合わせて1カ月50ユーロ前後を払います(生活保護を受けている家庭には支援があります)

6 幼稚園ではどのような教育がされているのでしょう?

 学校によって多少違いがありますが、8時前後に始まり、16時前後に終わります(テオの通っている幼稚園は8:30開始、16:30終了です)。お昼休みは11:30から13:30で、ほとんどの園児が幼稚園に残り食堂でお昼を食べますが、家に帰って食事をする子供もいます。ちなみに、幼稚園・小学校は朝夕(お昼を家で食べる場合はお昼前後も)に大人の送迎が必須なので、両親が働いている家庭ではベビーシッターを雇って送迎してもらうか、学童(テオの幼稚園の場合7:30〜8:30、16:30〜18:00)に子供を預けるのが一般的です。

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筆者

高橋ペイラニ留愛

高橋ペイラニ留愛(たかはしペイラニ・るな) フリーランス(執筆・翻訳)

1975年東京都生まれ、フランス・ニース在住。グラフィックデザイナーとして働いた後、2008年に渡仏。パリ第3大学フランス研究科卒。2017年にニースに引っ越し、海と山に囲まれた生活を享受中!