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振興銀が敗訴 SFCG債権二重譲渡問題 東京地裁《判決ほぼ全文も》

 経営破綻(はたん)した商工ローン大手SFCG(旧商工ファンド)の債権二重譲渡をめぐり、新生信託銀行と日本振興銀行がどちらに債権があるかを争った訴訟の判決で、東京地裁(三村晶子裁判長)は27日、債権は新生信託に移ったとする判断を示した。この問題で、債権の帰属先について司法判断が示されたのは初めて。敗訴した振興銀は即日、控訴した。

   ▽この記事は2010年7月28日の朝日新聞に掲載されたものです。
   ▽取材・執筆:浦野直樹
   ▽判決の全文はこちら

 振興銀は2008年前後、当時経営難に陥っていたSFCGから1千億円超の貸し出し債権を買い取ったが、このうち600億円前後はSFCGが他の信託銀行に二重に売却していたとされる。このため、今回の訴訟をはじめ、あおぞら信託銀行と、旧日興シティ信託銀行から債権を譲渡された金融業者らが、同じ枠組みの4件の訴訟で振興銀と争っている。振興銀は一連の訴訟でほぼ同じ主張を展開しており、今回の判決は他の訴訟にも影響を与えそうだ。

債権の二重譲渡をめぐる訴訟
 この日の判決は、SFCGからの債権譲渡を振興銀より先に登記していた新生信託の契約について「有効に成立したと認められる」と判断。信託銀側に数々の法令違反があるという振興銀の主張を
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