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アカハラ騒動、なぜこじれる 定義、各大学まちまち 「調査に不満」提訴続々

 大学などの研究機関で起きる「アカデミック・ハラスメント」(アカハラ)。深刻な人権侵害として対策を構える大学が増える一方、加害者とされた人が法廷で処分取り消しを求める裁判が相次いでいる。外の風が入りにくい大学特有の環境もあり、こじれるケースが多いようだ。

  ▽筆者:根岸拓朗、芳垣文子

  ▽この記事は2010年11月22日の朝日新聞朝刊教育面に掲載されたものです。

 

 ■調査の難しさ

 今月12日、札幌地裁。学生にアカハラをしたとして懲戒解雇された北海道教育大旭川校の男性准教授3人が、解雇の無効を求めた裁判の判決があった。

 3人はアイヌ語の研究プロジェクトに学生たちを手伝わせていた。この中で「学生たちに多すぎる課題を強制して長時間拘束した」「学生たちをマインドコントロールした」「幻覚症状など心身の調子を崩す学生を続出させた」などとして、大学が09年2月に諭旨解雇を通告。3人が退職願を出さなかったため翌3月に懲戒解雇にした。

 3人は「アカハラはなかった」と主張し、同月に提訴した。裁判で両者の言い分は平行線のまま、被害者とされた学生たちの証人尋問もなされた。

 その結果、勝訴したのは准教授たち

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