大坪正則(スポーツ経営学)
2011年10月01日
セ・リーグはもっと熾烈だ。リーグ優勝が分からなくなった。首位争いを演じている東京ヤクルトスワローズと中日ドラゴンズはナゴヤドームでの直接対決が5試合残っており、予断を許さない。もっと興味深いのは読売ジャイアンツと阪神タイガースの3位争いだ。巨人は球界の盟主と仰がれて常勝を義務付けられている。一方の阪神は観客動員力と支払選手年俸総額が球界1位。優勝争いに加わるのが当たり前で、かつ長年のライバルである両球団だからお互い負けられない意地もある。監督に3位確保の至上命令が出てもおかしくない。だから、面白いし、意外な展開に注目が集まるのも当然と言える。
節電要請で開幕日が延期となり、開幕当初は観客の出足が鈍かったが、優勝と3位争いが激しくなるに従い客足が戻った。最後まで3位争いがもつれれると、今年も昨年同様、CSと日本シリーズで大波乱が起こるかも知れないとの期待も膨らんでくる。当然、観客動員数が増加する。
昨年は千葉ロッテマリーンズが「下剋上」の言葉を流行らせた。ペナントレースの土壇場で続けざまに逆転劇を演じ、最終戦で3位に滑り込むと勢いを駆ってCSを制し、更には日本シリーズにも勝利した。2007年シーズンから導入されたCSから日本シリーズに続く新しいプレーオフ制度の下で、初めてレギュラー・シーズン3位のチームが日本一の座に着いたのだから、まさに「下剋上」の実現だった。
ファンが目を離せないシーズン終盤のペナントレース、そしてそれに続くCSと日本シリーズが波乱含みであることは、リーグや球団の経営にとって「吉」であることは言うまでもない。なぜなら、
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