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カンニングが刑事事件になったわけ

中村多美子

中村多美子 弁護士(家族法、「科学と法」)

もっともこの事件の第一報を聞いたとき、昨今の携帯電話の機能とそれを使いこなす若者達の能力を考えれば、「ついに発生したか」という感覚なのは否めない。とはいえ、「被害届」「偽計業務妨害罪」「逮捕」などといった一連の急速な流れに違和感を感じた人は少なくなかったのではないだろうか。特に、「偽計業務妨害罪」とカンニングはなかなか結びつかないだろう。大学入試というとりわけ公正さが求められる場面であったとはいえ、カンニングはなぜ刑事事件となったのだろうか。

 法とは、

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