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災害科学の祖・寺田寅彦からの宿題

伊藤智義

伊藤智義 千葉大学大学院工学研究院教授

紀伊半島において、土砂ダムの水位が上昇し、危険な状態が続いている。平成に入って最悪の風水害をもたらした台風12号は、各地で土砂崩れを引き起こし、その一部は川の水をせき止めて天然ダムを生じさせた。引き続いて上陸した台風15号の大雨によって、土砂ダムは満水に達し、決壊するおそれが出ている。

 台風12号が西日本に上陸した今月上旬、私は学生とともに山中湖でゼミ合宿を行っていた。

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