2011年12月28日
当時の状況を振り返ってみると、SPEEDIをめぐって興味深い事実が浮かび上がる。
SPEEDIの稼働が公にされたのは、原発事故発生から10日経った3月21日である。当時の報道によれば、国は「データが粗く、十分な予測でない」とし、「データの公表もしない」とされた。これに対して批判が続出し、最終的に、4月末になって全面公開されている。
公開されたデータをみると、文部科学省の放射線調査が見事に放射線量の高い地点から開始されていたのである。それは、SPEEDIの有効性を如実に表していた。
その結果をみて、複雑な思いを持った研究者がいた。東工大の牧野淳一郎教授である。牧野教授は、
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