読書 の検索結果

［書評］『写真民俗学』

芳賀日出男著

95歳の写真家による驚嘆の比較伝承文化論だ！　　　旧満州の大連で生まれ、小学生のときに自分のカメラを買ってもらって写真を撮り始めてから90年 … ［続きを読む］

［1］西欧の凋落を描くウエルベックの訴求力

　2022年のフランスでイスラム政権が誕生する顛末(てんまつ)を描いた、ミシェル・ウエルベックの『服従』(大塚桃訳、河出書房新社、2015、 … ［続きを読む］

仮想通貨はなぜ、世界に６００種類もあるのか

つまり、そのうちのいくつかは「怪しい」から、なので.....

　三菱東京ＵＦＪ銀行が、最新技術を応用した海外送金サービスを来年から始める。活用するのは、ビットコインなどの仮想通貨が基盤としている「ブロッ … ［続きを読む］

［書評］『植民地の腹話術師たち』

金哲著　渡辺直紀訳

純潔への欲望が生みだす暴力　　　朝鮮はかつて大日本帝国の植民地であった。この時期、朝鮮人作家が小説を書くことは、事実上、外国語で創作すること … ［続きを読む］

［書評］『ベストセラーコード』

ジョディ・アーチャー　マシュー・ジョッカーズ著　川添節子訳　西内啓解説

文芸不況もこれで解決？？　　　ベストセラーのランキングを見て、どうして、あんな小説が売れるんだ？　と、ざらついた気分になることがよくある。そ … ［続きを読む］

［書評］『ゼロデイ』

山田敏弘著

私が大規模テロ事件の共犯になる「その日」の前に　　　社内でUSBメモリが落ちてた。拾う。持ち主がわかったら届けてやろう、あるいはちょっぴり覗 … ［続きを読む］

［書評］『中動態の世界』

國分功一郎著

何層もの驚きの先の、ささやかな解放　　　たとえば歩くとき。謝るとき。アルコールや薬物に依存するとき。どんな場合に、「私が何ごとかをなす」と言 … ［続きを読む］

［書評］『葉っぱのぐそをはじめよう』

伊沢正名著

「糞土師」によるマジメでエコなノグソ・ガイドブック　　　シリアへのミサイル攻撃の報道がなされた翌朝にこれを書いている。アメリカのトランプ大統 … ［続きを読む］

［書評］『アウトサイダー』

フレデリック・フォーサイス著　黒原敏行訳

波瀾万丈の自伝　　　一気に読了。実に読み応えのある自伝だった。 　特にいいのはフォーサイスの幼少期から成人するまでの部分。　父親の見事な生き … ［続きを読む］

［書評］『日本精神史』

阿満利麿著

「長いものには巻かれろ」主義がはびこるのはなぜ？　　　このところ巷を騒がせている森友学園問題や豊洲市場移転をめぐる東京都政のニュースを見るに … ［続きを読む］

［書評］『アメリカ映画とキリスト教』

木谷佳楠著

人は映画のみにて生きるものではないが　　　おもしろい。本書は元々、同志社大学大学院神学研究科に提出された博士論文。だが、一般向けに大幅に改め … ［続きを読む］

［書評］『近代天皇論』

片山杜秀島薗進著

明日に虹色の橋を架けるために　　　この数年、「タイタニック号」の譬えを耳にする機会が増えた。日本の現状を沈みゆく伝説の豪華客船になぞらえ、嘆 … ［続きを読む］

［書評］『生命の内と外』

永田和宏著

広大な宇宙にも匹敵する人体　　『近代秀歌』『現代秀歌』(ともに岩波新書)で近現代の短歌を鮮やかに鑑賞した歌人が、「生命」をどう解説しているの … ［続きを読む］

［書評］『なぜ僕たちは金融街の人びとを嫌う～』

ヨリス・ライエンダイク著　関美和訳

倫理を排除し、目先の利益が優先される世界　　　ずいぶん大胆な邦題である。原題は“Swimming with Sharks … ［続きを読む］

［書評］『言葉はこうして生き残った』

河野通和著

大文字で書かれる「編集者」の鋭い筆さばき　　　本を題材に、類いまれな傑作が生まれた。著者の河野通和氏は、季刊雑誌『考える人』の編集長。この本 … ［続きを読む］

［書評］『＜ポストトゥルース＞アメリカの誕生』

池田純一著

ゲームは別の盤上で行われていた　　　米大統領選でドナルド・トランプが勝利した直後、英オックスフォード大学出版局は2016年に注目を集めた言葉 … ［続きを読む］

［書評］『日本政治思想史』

原武史著

「空間」「時間」の視点から見えるもの　　　放送大学の教科書である。 　日本政治思想史？　大学の教科書？　「何でそんな本を取り上げるの？」とい … ［続きを読む］

[3]効率最優先のトランプ氏の行動はAI的だ

人工知能のように、人間の倫理や常識を無視し、集票の最大化のために動く

憲法学者・木村草太VS作家・新城カズマ（司会は松本一弥・朝日新聞WEBRONZA編集長）この対談は、2月19日に東京・下北沢の本屋B＆Bで行 … ［続きを読む］

[1]トランプ大統領は豊臣秀吉に似ている

トランプ氏当選の背後に最高裁人事／保守派が投票行動を決める要因に

憲法学者・木村草太VS作家・新城カズマ（司会は松本一弥・朝日新聞WEBRONZA編集長） この対談は、2月19日に東京・下北沢の本 … ［続きを読む］

［書評］『神田神保町書肆街考』

鹿島茂著

書物と学問への熱情が堆積した特異な街の近代史　　　なぜ神保町が、世界にも類を見ない古書の街になったのか。それを「産業・経済・教育・飲食・住居 … ［続きを読む］

［書評］『負債論』

デヴィッド・グレーバー著　酒井隆史監訳　高祖岩三郎佐々木夏子訳

想像をかきたてるラディカルな本　　　借金やローンは悩みの種だ。借金なんかしなければよかったと思っても後の祭り。家や車がほしかったり、教育資金 … ［続きを読む］

英語教育は小学校低学年から必要なのか

「新学習指導要領案」が軽視する思考力・理解力を高める教育

　先日、新学習指導要領案が公表された。いろいろな問題をはらんでいると思うが、ここでは小学校3年生から「親しむ活動」として、小学校5年生から正 … ［続きを読む］

［書評］『男性支配』

ピエール・ブルデュー著　坂本さやか坂本浩也訳

男性優位の恣意的な秩序がなぜ永続化するのか　　　ピエール・ブルデュー(1930―2002)は社会学者だが、彼の学問をもっとも的確に、ひとこと … ［続きを読む］

［書評］『覗くモーテル 観察日誌』

ゲイ・タリーズ著　白石朗訳

寝室の幸せと不幸せ、そして…　　　中学生の時分、そんな気などまったくないのに、ある夜、隣家の若い女性の、見てはいけない姿が目に … ［続きを読む］

［書評］『安倍三代』

青木理著

言ってはいけなかった真実　　　特定秘密保護法や、安全保障法制、そして現下の「共謀罪」や憲法改正など、安倍政権の施策、ひいては安倍首相の思想信 … ［続きを読む］

［書評］『スリープ・レボリューション』

アリアナ・ハフィントン著　本間徳子訳

「明日から本気出す」は正しかった？　　　成功者の方々が書いた本には、寝る間も惜しんで働く描写がよく出てきます。アメリカの大学院とかで頑張った … ［続きを読む］

芸能、風俗、怪異伝承、酒場、銭湯……

考えるな、感じろで雑踏に赴く

　肩書は「編集委員」。そのあとに「大衆文化担当」がつく。芸能や社会風俗だけでなく日本各地に残る怪異伝承や「UMA」と呼ばれる(未確認生物も追 … ［続きを読む］

［書評］『ユリシーズ　1-12』

ジェイムズ・ジョイス著　柳瀬尚紀訳

文芸の極北、魂のこもった遺訳　　　担当した編集者としての思い出から書かせて頂く。本書の訳者である柳瀬尚紀さんにはモーツァルトに関するエッセイ … ［続きを読む］

［書評］『アガサ・クリスティーと１４の毒薬』

キャサリン・ハーカップ著　長野きよみ訳

毒薬の使い方教えます？　こんな手があったのか、とただ感心するだけ。 　クリスティーと言えば、もちろん「ミステリーの女王」。「灰色の脳細胞」こ … ［続きを読む］

［書評］『新編　荒野に立つ虹』

渡辺京二著

大地にかたどられる、ということ　　　「自然は人間にとって資源である以前に、人間が人間として形成される場なのである」 　世界史的観点で近代の意 … ［続きを読む］