文学 の検索結果

没後３０年、「単独者」鮎川信夫の肖像(上)

永遠の遺言執行人として

　過日、『没後30年　鮎川信夫と「荒地」展』を開催中の神奈川近代文学館を訪れた。みなとみらい線の終点で下車し、エレベーターでアメリカ山公園の … ［続きを読む］

「団地映画」は戦後家族を映す鏡か（上）

『海よりもまだ深く』『団地』『しとやかな獣』『団地妻』……家族の変化と映画の成熟

　「団地映画」の新作を2本続けて見た。是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』と阪本順治監督の『団地』である。 　『海よりもまだ深く』では、同じ団 … ［続きを読む］

必見！　ジャ『山河ノスタルジア』（下）

顔・風景・音楽による＜情＞の表現の強度など

　前回述べたように、物語的主題という点では、『山河ノスタルジア』は典型的なメロドラマであり、よって描かれるのは、母と子が互いに抱く感情を軸に … ［続きを読む］

［書評］『昭和の子』

三原浩良著

戦後民主主義とともに走った記者　職場や酒場での雑談で「昭和がまた一つ終わった」という話をよくするようになった。　戦後71年。敗戦時に子どもだ … ［続きを読む］

英国発「大学ランキング」を検証する

東大はアジア7位　英語圏有利の中、すべてを母国語で学べるすごさに気づくべきだ

シンガポールや香港の大学が躍進　英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」が6月20日、恒例のアジア大学ランキングを … ［続きを読む］

［9］キューバ人の人生、これからのキューバ

　日本にいるとキューバのニュースをなかなか見ないし、キューバ人と接する機会もほとんどない。キューバ人はどんな人生を過ごし、何を考えているのだ … ［続きを読む］

［9］「子殺し」「親殺し」考　『晩春』２

冒頭シーンに次いで周到に書き込まれた布石　父親による「娘殺し」と娘による「父殺し」という視点から、『晩春』を見返してみると、この作品が、冒頭 … ［続きを読む］

［書評］『小尾俊人の戦後』

宮田昇著

夜とヘアのあいだの星の時間　　　50代以上の出版関係者であれば、小尾俊人(おび・としと)の名前は、好き嫌いは別として、記憶されているだろう。 … ［続きを読む］

［書評］『小説家の四季』

佐藤正午著

エッセイでもなく雑文でもない「随筆」　　　エッセイでもなく雑文でもない、正真正銘の「随筆」である。 　2007年秋、「冷蔵庫理論」から始まっ … ［続きを読む］

蓮實重彦氏の三島賞受賞パフォーマンス、その真意

「文学賞」も「東大総長」も実はたいしたものではないという精神

　海外（パリ）にしばらく暮らしているが、それでも蓮實重彦氏の三島賞受賞記者会見の発言はあちこちから伝わってきた。フェイスブックやツイッターで … ［続きを読む］

ろくでなし子裁判一審判決を受けて（上）

「かつてはこうだった」という保守的な判断

事実確認　すでに広く報道されているように、先日5月9日(月)、美術家ろくでなし子さん(被告)に対する判決が東京地裁で言い渡された。まず基礎的 … ［続きを読む］

［書評］『痴女の誕生』

安田理央著

ＡＶから浮かぶ性意識の変貌　　　「痴女」とは、ある辞書によれば「情欲の赴くまま行動する淫乱な女性のこと」とある。　「赴くまま」とは?　「行動 … ［続きを読む］

「帝国の慰安婦」が問いかけるもの　下

加害者としての日本の帝国主義が日本社会に共有される認識を

　夏目漱石がロンドン留学を命じられたのは１９００年（明治３３年）のことだ。翌年１月にロンドンに到着早々の漱石はビクトリア女王の葬列をロンドン … ［続きを読む］

AIがレンブラントの贋作を描いた！

「人工知能」というより「拡張知能」と見るべきAIの大躍進

　AI（Artificial Intelligent＝人工知能）といえば、先月DeepMind社のAlpha碁が、人間の囲碁王者に勝利したこ … ［続きを読む］

［4］政治は生き物　育てていこう

誰も私の自由は奪えない。社会は簡単には変わらないけど、希望を持とう

「民主主義をつくる」は、①巻頭論文＋②「自由って何だ？　ＳＥＡＬＤｓとの対話」（4回）＋③五百旗頭真・熊本県立大理事長インタビュー（3回）の … ［続きを読む］

［3］ヘイトスピーチは社会の害悪　声を上げよう

市民の力で変えていく

「民主主義をつくる」は、①巻頭論文＋②「自由って何だ？　ＳＥＡＬＤｓとの対話」（4回）＋③五百旗頭真・熊本県立大理事長インタビュー（3回）の … ［続きを読む］

［2］「忘却の穴」に落とされるな！

他者との具体的な交わりの中にこそ自由がある

「民主主義をつくる」は、①巻頭論文＋②「自由って何だ？　ＳＥＡＬＤｓとの対話」（4回）＋③五百旗頭真・熊本県立大理事長インタビュー（3回）の … ［続きを読む］

［1］「私」という一人称で共に語ろう

誰かに任せていても仕方がない。自分で声を上げるのが民主主義

「民主主義をつくる」は、①巻頭論文＋②「自由って何だ？　ＳＥＡＬＤｓとの対話」（4回）＋③五百旗頭真・熊本県立大理事長インタビュー（3回）の … ［続きを読む］

［書評］『漂流怪人・きだみのる』

嵐山光三郎著

人間の〈ゼロ磁場〉に贈るレクイエム　　　本書の冒頭に著者がむかし取材先で撮った一枚の集合写真が載っている。若い頃の著者ときだみのる、写真家の … ［続きを読む］

［書評］『絶筆』

野坂昭如著

最後のメッセージにこめられた願い　　　冒頭に置かれた編集部の注記によると、野坂昭如は2003年5月26日、72歳のときに脳梗塞で倒れたあと、 … ［続きを読む］

［4］政権交代が右傾化を加速した

自民党は「winnertakesall」型の政党に変わった

注）この立憲デモクラシー講座の原稿は、昨年12月11日に早稲田大学で行われたものをベースに、著者が加筆修正したものです。立憲デモクラシーの会 … ［続きを読む］

［4］信託代表制の提唱

注）この立憲デモクラシー講座の原稿は、昨年11月27日に早稲田大学で行われたものをベースに、著者が加筆修正したものです。立憲デモクラシーの会 … ［続きを読む］

家具は美術の著作物となり得るか　美術工芸品と純粋美術

　著名デザイナーがデザインした幼児用椅子をめぐる著作権侵害訴訟の判決で、知財高裁は昨年春、「家具も美術の著作物となり得る」との判断を示した。 … ［続きを読む］

［書評］『世界システム論講義』

川北稔著

罪、万死に値する問題　　　グローバル化、グローバリズムという言葉が世を席巻するようになって、いったいどのくらいの年月が経過したのだろうか。　 … ［続きを読む］

［書評］『大変を生きる』

小山鉄郎著

「大変」に直面する精神をリレーする　　　悲惨で強烈な体験をしたときほど、人はその体験をなかなか言葉にできない。当然だろう。　死に瀕したり、実 … ［続きを読む］

小保方さんの「文章」、ほんと面白かった

科学少女マンガ版も読みたくなる読後感

　元少年Ａの『絶歌』もこの小保方晴子さんの『あの日』もすぐ買ってしまった。 　当然買いますよ。アマゾンのマーケットプレイスで1円になったら買 … ［続きを読む］

［2］科学者討論＠北海道大学

科学者は「監」られている――若手研究者が語る大学の現在

　大学の風景が変わった。研究者は世の中に還元される業績を求められ、役に立つことがわかりやすく見える成果が歓迎されている。研究費の獲得競争は激 … ［続きを読む］

［1］科学者討論＠北海道大学

科学者は「監」られている――若手研究者が語る大学の現在

　大学の風景が変わった。研究者は世の中に還元される業績を求められ、役に立つことがわかりやすく見える成果が歓迎されている。研究費の獲得競争は激 … ［続きを読む］

「ロシア、強権の裏に焦り」　亀山郁夫×白井聡

朝日新聞　関西スクエア　中之島クロストーク

　政治学者の白井聡（さとし）さんがホスト役を務める対談・対論イベント「第５回　関西スクエア　中之島クロストーク」（朝日新聞社主催）が2015 … ［続きを読む］

［書評］『誰がネロとパトラッシュを殺すのか』

アン・ヴァン・ディーンデレン、ディディエ・ヴォルカールト編著　塩﨑香織訳

欧州のオタクが追跡したアニメの虚構と現実が面白い　　　日本人は名作物語が大好きだ。　「イソップ物語」は、「伊曾保物語」として江戸初期から翻案 … ［続きを読む］