文庫 の検索結果

厄介と愛想を尽かすのはまだ早い

政治の本当の意味と魅力を知ろう

　政治に愛想を尽かすなって？　余計なお説教はやめてくれよ。そもそも政治なんて、七面倒くさいドタバタ劇をお偉方が勝手に演じているだけ。そんなも … ［続きを読む］

公の歴史から消された過去を眺めると

もう一つの現代史が立ち上がってくる

　「歴史とは、ある意味でいえば、死者の声であって、われわれの歴史が豊富になっているのは、どういう死者がどれほどたくさんいたかにすぎないのです … ［続きを読む］

社論の行方や会社の事情を酌み取るな

憎むべきは記者の怯懦と怠慢である

　読売新聞外報部出身の作家・日野啓三氏が、観測者や筆者の存在を離れた〝客観的事実〟というものは実在しない、という趣旨のことを書いています。　 … ［続きを読む］

テレビ政治、世論調査、ネットで発信…

それでも変わらぬ政治取材の基本とは

　約36年前、国会に入った時、天井の高さに圧倒されそうになった。政治部記者が国会議員と親しく話すのを見て、引け目も感じた。しかし、いつの間に … ［続きを読む］

［書評］『近衛文麿　清談録』

近衛文麿著　伊藤武編

「男ざかり」の昭和に心酔するなかれ　　　戦後70年は、近衛文麿歿後70年。死のほぼ10年前、第一次内閣を組む前年8月に刊行された論集が、装い … ［続きを読む］

反ヘイトスピーチ本のフェアを開いて（下）

「本当に、あなたは東亜日報に、あんなことを言ったのか？」

　ぼくが2度目の「アンチヘイト」コーナーの展開を決め、商品を集め出した頃、朝日新聞の若い女性記者が取材に訪れた。ネットで「アンチヘイト本」の … ［続きを読む］

［2］未熟だが非凡な表現力

　『絶歌』において、Aが殺人にいたる経緯の記述は、2部構成の本書(約290頁)の第一部の前半でヤマ場を迎える。　そこでは、Aの関東医療少年院 … ［続きを読む］

［書評］『アンドレ・バザン』

野崎歓著

恣意性の砂漠から抜け出せ！　　　アンドレ・バザン（1918―1958）は、「ヌーベルバーグの父」と評されるフランスの映画批評家。サイレントか … ［続きを読む］

［4］老人力をもってしても忘却できなかった事件

＊体調不良のため、しばらく休載していましたが、改めて連載を復活します。　この数か月の間、1960年代の「前衛」の時代に関するものだけでなく、 … ［続きを読む］

［書評］『仏教思想のゼロポイント』

魚川祐司著

救いのなさが痛快な仏教入門書　　　三省堂書店のサイトで、「仏教」「入門」をキーワードに検索してみたら、228件ヒットした。おそらくこのうち1 … ［続きを読む］

［書評］『読む漢方薬』

村上文崇著

あえて今「中国」の底知れぬ面白さを楽しむ　　　十数年前、学芸書編集者だった私の圧倒的な楽しみは、北海道出張でした。かの地には優れた研究者が多 … ［続きを読む］

［書評］『満洲難民』

井上卓弥著

涙と怒りで頁を繰る手が止まる、教訓の書　　　満洲からの「引き揚げ者」――いや、こんな言葉では軽すぎる。「難民」――政治的な迫害のほか、武力紛 … ［続きを読む］

岩波ブックセンター、柴田信サンの思い（上）

「普通の本屋」の条件

　岩波ブックセンター。　東京の神保町の交差点近く、入り口から全体が見わたせる70坪の書店。やや古めかしいこの店を長年にわたって営んできたのが … ［続きを読む］

［4］「教養」とは何か――「論理」を知る

課題図書「メインの３冊」　池上彰『おとなの教養――私たちはどこから来て、どこへ行くのか？』（ＮＨＫ出版新書） 　澤田昭夫『論文の書き方』（講 … ［続きを読む］

切れ目ない安保法制の整備めざす政権（下）

国民全体を巻き込む議論と、分析的な報道を〈『Journalism』6月号より〉

日本の国のあり方の議論のほうが重要だ 　松本　安保法制を根本的に変えることで安倍政権は日本をどんな国にしたいのか、「この国のかたち」をどうし … ［続きを読む］

切れ目ない安保法制の整備めざす政権（上）

何にでも対応できる法律は歯止めが効かない〈『Journalism』6月号より〉

　集団的自衛権の行使を認めた昨年7月の閣議決定を踏まえ、安倍政権は関連する11法案を閣議決定しました。　国会審議を経て法案がこのまま成立すれ … ［続きを読む］

いま、幸徳秋水『二十世紀の怪物』を読む意味

「自由」を生きた人が辿った軌跡

　幸徳秋水とは、いま、どんな人物だと思われているのでしょうか。　明治時代の社会主義者でアナキスト、「大逆事件」で刑死した人物。研究者ではない … ［続きを読む］

北欧女子オーサさんに聞く「マンガ」の魅力（下）

「日本語がお上手ですね」と毎回聞かれると……

――バンドデシネもですが、アメコミもフルカラーのコミックが主流です。また米国でマンガが出版され始めたころは現在のように日本式のコミックの形式 … ［続きを読む］

［3］「教養」とは何か――知的エリートの条件

課題図書「メインの３冊」　池上彰『おとなの教養――私たちはどこから来て、どこへ行くのか？』（ＮＨＫ出版新書） 　澤田昭夫『論文の書き方』（講 … ［続きを読む］

［書評］『経済学の宇宙』

岩井克人著

資本主義の秘密がわかった　　　著者、岩井克人の名前を知ったのは、1985年に出版された『ヴェニスの商人の資本論』（ちくま学芸文庫）が、評判に … ［続きを読む］

［2］「教養」とは何か――合理性と科学性

課題図書「メインの３冊」池上彰『おとなの教養――私たちはどこから来て、どこへ行くのか？』（ＮＨＫ出版新書）澤田昭夫『論文の書き方』（講談社学 … ［続きを読む］

1万回を迎えた『徹子の部屋』のテレビ的優しさ

入念な“リハーサル”を経た極上のドキュメンタリー

　「聞きたがりの徹子ちゃん」。黒柳徹子は、子どもの頃、こう呼ばれていたそうだ(『徹子の部屋1』朝日文庫)。　小さな子どもが、好奇心をおさえら … ［続きを読む］

［1］「教養」とは何か――「読む」「聞く」能力

＊この連載は、2014年12月から2015年5月にかけてジュンク堂書店池袋本店で開かれたトークセッション「『文庫・新書』で知的体力を強化する … ［続きを読む］

［3］広島の墓地に建つ「護憲」

　広島市の郊外、山間の住宅地のひっそりとした墓地に、堂々とした黒御影石の石碑が建つ。 　表には20センチ四方の大きな文字で黒く「護憲」と書か … ［続きを読む］

必見！　ブレッソンの『やさしい女』（下）

ドストエフスキーの原作と『悪霊』をめぐって

　原作であるドストエフスキーの中編小説(1876)を読んでも、映画『やさしい女』の鑑賞の助けにはほとんどならない。しかもブレッソンはドストエ … ［続きを読む］

［書評］『すべての戦争は自衛意識から始まる』

森達也著

ベタなタイトルにこそ、この人の味がある　　　体験したことはもちろんないのだが、最近は、戦争というものが、以前より格段と身近に感じられるように … ［続きを読む］

「現在の基準で過去を裁く」ことの是非

科学史、日本の戦争責任、そして現在の私たちの行為

　スティーブン・ワインバーグは、素粒子論における業績に対し１９７９年にノーベル賞を受賞した著名な物理学者で、『宇宙創成はじめの３分間』（ちく … ［続きを読む］

［4］「本でモテた時代」があった

体系的な知を組み立て直すことはもはや不可能なのか

　これまで、「本が読まれない」どころか「本が憎まれている」という話をしてきた。　ある専門家と雑誌で対談をして、よくあるように「さらに学びたい … ［続きを読む］

朝日新聞はもっと危機意識を

公正な報道と調査報道に取り組み言論の自由を掘り崩すものと対峙せよ

　朝日新聞は2014年、自ら引き起こした報道の過ちをめぐる問題で未曽有の危機に立たされました。雑誌や新聞では猛烈な朝日バッシングが連日のよう … ［続きを読む］

ゴダール『さらば、愛の言葉よ』にぶっ飛ぶ（下）

本作の真の主人公は犬だ!?

　『さらば、愛の言葉よ』の"処女作性"は、前回述べた３Ｄの革命的な用法だけではない。　後半でゴダールとパートナーのミエヴィルの愛犬ロクシーが … ［続きを読む］