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［書評］『ニッポン旅みやげ』

池内紀著

池内流　旅の楽しみ方　　　カフカの翻訳で知られる池内紀さんの旅の本は多い。『ドイツ 町から町へ』『ニッポン発見記』『町角ものがたり』『ひとり … ［続きを読む］

［23］第3章　文学篇（純文学）（3）

『文芸時代』の創刊と「新感覚派」の由来

　大正13（1924）年、2つの注目すべき雑誌が創刊された。　ひとつは、横光利一や川端康成、中河与一、片岡鉄兵などを同人とする『文芸時代』で … ［続きを読む］

川口悠子が語る「スケート人生」（下）

「自分は身体で語ることが好きだ」ということ

　ふたりとも若々しく見えるうえに、4回転まで跳べるから忘れがちだが、現在33歳と30歳。それぞれが身体に爆弾を抱えながらも、まずは今シーズン … ［続きを読む］

［1］「わいせつ」と「逮捕」の向こうにあるもの

「表現の暴力性」について冷静に議論できる前提が揺らいでいる

　作家の北原みのりさんが昨年12月、「わいせつ物陳列」の疑いで、突然、逮捕された。子どもや女性のポルノがいたるところに出回っているこの国でな … ［続きを読む］

［5］ネット動画とテレビが交わるとき（下）

「つながり」志向に距離を置く蛭子能収さん

（承前）　　その蛭子能収さん、同じテレビ東京が開設した無料動画サイト「テレ東プレイ」で、「蛭子能収の一人でできるもん!!」なるネット動画に出 … ［続きを読む］

コメの内外価格差が消えた

減反を廃止する環境がととのってきた

　コメの輸入に異変が起きている。2014年度、日本がアメリカ等に開いている主食用の輸入枠10万トンがほとんど消化されなかったのである。　ガッ … ［続きを読む］

［4］組織ではなく運動体としての「イスラム国」

人間関係でつながるサラフィー主義　イスラム厳格派のサラフィー主義の取材が難しかったのは、強固な組織を持つ同胞団に比べて、組織の実体がつかみに … ［続きを読む］

来シーズンから羽生結弦は勝ち続ける（下）

フィギュアスケートを進化させるチャンピオンに

　ショートプログラムに比べれば、フリーは演技時間が長い分、病み上がりの身体には厳しかったのだろう。繊細さの極地を見せるショートに対し、ファン … ［続きを読む］

大塚家具、娘社長の次の一手はスクイーズアウトか

いまだにくすぶる騒動の火種

　日本中が注目した“劇場型親子ゲンカ"とも言える大塚家具の経営権をめぐる騒動は、3月27日の定時株主総会で、娘の大塚久美子社長側 … ［続きを読む］

[4] ゴルフクラブの女人禁制は是か非か（下）

男と女、別々の世界があってもよい

英国には“男子禁制"のゴルフクラブがある　2016年、全英オープンはロイヤル・トルーンGCのオールドコースで開催される。開催日が … ［続きを読む］

世界選手権プレビュー　羽生結弦の可能性（下）

対等なライバルの登場と休息を！

　羽生結弦が勝っても負けても、新しいシーズンはまた、否応なくやってくる。　どんな形で今シーズンが幕を閉じたとしても、来シーズンはこうなってほ … ［続きを読む］

［4］「本でモテた時代」があった

体系的な知を組み立て直すことはもはや不可能なのか

　これまで、「本が読まれない」どころか「本が憎まれている」という話をしてきた。　ある専門家と雑誌で対談をして、よくあるように「さらに学びたい … ［続きを読む］

世界選手権プレビュー　無良崇人の「意志」（下）

パワーに加わった繊細さ

　4年間の、スタートの年。　スケートカナダで優勝できるほどの地力はつけて、シーズンに臨んできた。4回転ジャンプも「他の3回転と何ら変わらない … ［続きを読む］

真田風雲録とコミュニティ難民をつなぐもの（上）

「武士」という身分を捨てきれなかった真田幸村と大野修理

　2014年も押しつまった12月19日(金)、神戸アートシアタービレッジで、劇団風斜公演『新（いま）・真田風雲録』を観た。劇団代表で演出の日 … ［続きを読む］

朝日新聞はもっと危機意識を

公正な報道と調査報道に取り組み言論の自由を掘り崩すものと対峙せよ

　朝日新聞は2014年、自ら引き起こした報道の過ちをめぐる問題で未曽有の危機に立たされました。雑誌や新聞では猛烈な朝日バッシングが連日のよう … ［続きを読む］

１４歳、樋口新葉　「世界女王」への道（下）

これから何を足していくか

　様々な点で、特異。スペシャル。　そんな樋口新葉だが、スケーターとしての魅力も、また他の選手たちと一線を画すものがある。　踊りが得意、演技が … ［続きを読む］

１４歳、樋口新葉　「世界女王」への道（中）

ナチュラルにファニー

　世界ジュニアに向けて、見事にピーキングができたこと。　しかしそれは、14歳の樋口新葉の見せる、強さのひとつに過ぎない。　たとえば試合での勝 … ［続きを読む］

［7］「私は幸せです」と即座に返ってくる国

　コスタリカの主な産業はコーヒーやバナナなどの農業だ。首都北東の標高1300メートルの傾斜地に広がるコーヒー農園を訪ねた。　110年の歴史を … ［続きを読む］

こんなに日本を誉めていて大丈夫か？

愛国心は批判と不可分

　愛国心を喚起する教育、故郷の山河を愛する教育を叫ぶ声が高い。　それに日本礼賛の新聞記事や書籍も氾濫している。温泉や海や山や谷。日本の味覚、 … ［続きを読む］

ウーマン・イン・サイエンス－米国の悩み

科学技術の世界から女性とマイノリティーが排除されている

　科学技術の世界で活躍する女性が男性に比べて少ないことは世界共通の現象だ。国連教育科学文化機関（ユネスコ）は「women in scienc … ［続きを読む］

津波で職員死亡、「組織の備え」不備を批判した盛岡地裁判決

後戻り生死の分かれ目――車で避難の先輩と後輩

　津波の不安を感じながらも海の近くに戻ることにしたのは、一瞬の迷いの結果だった。 　「戻っちゃいけないという気持ちがあって、だけど … ［続きを読む］

必見！ティム・バートン『ビッグ・アイズ』（上）

ゴーストぺインターをめぐるスマートな傑作

　1月23日に封切られたティム・バートン監督の『ビッグ・アイズ』を、2月20日にようやく見たが、予想をはるかに上回る素晴らしさで、なぜもっと … ［続きを読む］

「気象庁の津波予報のせいで妻は死んだ」国賠訴訟の行方

陸前高田市、６ｍ予報変更後も３ｍの放送続ける

　２０１１年３月１１日午後２時４９分、気象庁は、岩手県沿岸部について「高いところで３メートル程度以上の津波が予想される」と発表した。これを「 … ［続きを読む］

[４]昆虫が嫌いでも生物学者になれる

トークショー「数学と理科の楽しみ方」（数学者秋山仁氏×生物学者武村政春氏×朝日新聞編集委員高橋真理子,２０１５年１月 … ［続きを読む］

［3］小学生も違憲訴訟、憲法を活用する市民たち

　「憲法違反」といえば大変なことだと思うだろう。だれかが違憲訴訟に踏み切ったと聞けば、ずいぶん思い切ったものだと驚きがちだ。　だが、コスタリ … ［続きを読む］

[２]立体を好きに切って平らに開くと、さて？

トークショー「数学と理科の楽しみ方」（数学者秋山仁氏×生物学者武村政春氏×朝日新聞編集委員高橋真理子,２０１５年１月 … ［続きを読む］

岡崎京子作品の主人公が戦う敵はなんなのか

ゆきこは２８歳で、私は５４歳なのに

　岡崎京子さんを愛読したのは、2000年になってからだ。家の本棚に岡崎さんのコーナーがあり、そこにある10冊ほどの著書を今回再読したのだが、 … ［続きを読む］

ドイツの電子書籍業界は共同開発に転換

アマゾンの対抗軸として構想

　2013年3月にサービスを開始したドイツの電子書籍端末「tolino（トリノ）」の販売が好調という。昨年暮れに、アマゾン「kindle（キ … ［続きを読む］

ゴダール『さらば、愛の言葉よ』にぶっ飛ぶ（上）

衰えを知らぬ過激さ、若々しさ

　かつて世界を席巻したフランス発の“映画革命"、ヌーヴェル・ヴァーグ/新しい波。そのムーブメントの旗手の一人だったジャン=リュッ … ［続きを読む］

［27］第6章「＜遠郊＞の憂鬱（3）」

ローカリズムと不良文化

　『遠雷』の満夫と広次が、気晴らしに街へ繰り出す場面がある。　漂流の始まる前の青年たちには、まだ屈託がない。満夫の家で、夕食をいっしょに食べ … ［続きを読む］