記憶 の検索結果

南部さん、鶴見さんで考える｢死｣はどこまで公か

バッドテイストでない訃報が求められる時代が来た

　知の巨星、墜つ。そんなニュースが今月、相次いだ。物理学者の南部陽一郎さんと哲学者の鶴見俊輔さんの死去である。二人の訃報報道は、この時代、ジ … ［続きを読む］

台湾映画『共犯』のチャン・ロンジー監督に聞く

「光と影の映画を楽しんでもらえればと思います」

　映画『共犯』は、2012年に映画『光にふれる』でデビューし、その年の台湾金馬奨（台湾のアカデミー賞と言われている）で新人監督賞を受賞した、 … ［続きを読む］

『火花』と松本人志さんをめぐる個人的妄想

芸人として生きること、小説を書くということ

　『火花』を読み終わった瞬間、ふっと頭に「トカゲのおっさん」が浮かんできた。松本人志さんがフジテレビ「ダウンタウンのごっつええ感じ」で演じて … ［続きを読む］

世界遺産登録に見る歴史への向き合い方（下）

これまでの蓄積を直視する姿勢を

世界遺産委員会における焦点　7月3日にドイツで開かれた世界遺産委員会にて新規案件に関する会議が始まると、6月下旬に筆者をはじめ関係者が感じて … ［続きを読む］

日本の学術界をむしばむ「肩書き依存症」

理研と日本版ＮＩＨに見るその病理と、改善策の模索

　筆者は、以前、日本版NIH（独立行政法人「日本医療研究開発機構」略称： AMED）の主たる9分野それぞれを統括するプログラムディレクターの … ［続きを読む］

フィナンシャル・タイムズを経営するということ

日経によるFT買収で鮮明に問われる新聞社の営利性

　淡いピンク色をトレードマークにする欧州の経済紙フィナンシャル・タイムズ（FT）が23日、日本経済新聞に売却されることが決まった。　FTは有 … ［続きを読む］

世界遺産登録に見る歴史への向き合い方（上）

長期的な視野で物事を捉えるということ

近視眼的な視角の危険性　2015年7月5日(現地時間)、ドイツ・ボンで開かれた国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会において、「明 … ［続きを読む］

ベトナム戦争から４０年

容易でない公的史観の修正

　歴史は時としてメディアによってつくられる――1975年4月30日、サイゴン（現ホーチミン市）にある南ベトナム大統領の官邸に一番乗りした戦車 … ［続きを読む］

［12] 全英オープンを心底楽しむ（下）

生中継でテレビ観戦、現地で生観戦、そして夢の舞台に立つ

最終日の「筋書きのないドラマ」は見逃せない　全英オープンは最終日に劇的な展開があることで知られている。1999年のリンクス旅の途上で、「カー … ［続きを読む］

［17］２種類の反米攻撃、日本人外交官殺害事件

イラクで武装組織の幹部に会う　イラクでは2003年7月以降、米軍に対する攻撃が激しくなる一方で、警察署や新イラク軍の登録センターに対する自爆 … ［続きを読む］

［書評］『民俗と仮面の深層へ』

乾武俊著　山本ひろ子、宮嶋隆輔編

仮面にこめられた民衆の記憶にふれる　　　「もう、世の人の心は賢(さか)しくなり過ぎて居た。独り語りの物語りなどに、信をうちこんで聞く者のある … ［続きを読む］

安保法案の強行採決は、「憲法クーデター」だ

審議時間はあと数倍～１０倍は必要だった

憲政史の歴史的瞬間　7月15日正午過ぎ、安保法案が衆院平和安全法制特別委員会で強行採決された。NHKは、公共放送であるはずなのに、公共的にき … ［続きを読む］

［書評］『戦争をしない国』

矢部宏治・文　須田慎太郎・写真

天皇の言葉をいま静かに受け止める意味　　　白地のオビに、「あなたは、天皇の言葉に耳を傾けたことがありますか？」とある。　天皇陛下が有り体に言 … ［続きを読む］

［16］フセイン像引き倒しの真相、米軍の破壊

フセイン像が倒された日に何があったか　バグダッド陥落後に最も記憶に残っているのは、フィルドゥース広場のサダム・フセイン像の引き倒しの真相を探 … ［続きを読む］

［1］『一〇三歳になってわかったこと』のなぜ？

「イヤラシイおばあさんっぽさ」は薄いのだけど……

　本屋の店頭で「なんだか売れてるなー」と感じる本がある。派手なポップがあるとか、何十冊も面出ししてるとかじゃなくて、いろんな本屋に行くたびに … ［続きを読む］

元少年Ａ『絶歌』が刺激した日本の“空気”（下）

「なぜ人を殺してはいけないのか？」

　「なぜ人を殺してはいけないのか？」　1997年の神戸連続児童殺傷事件は、その後も多くの波紋を拡げた。そのひとつが、少年A逮捕から3ヶ月後の … ［続きを読む］

ユーロ圏離脱でギリシャは蘇り、EUは政治分裂？

ピケティやクルーグマンが支持したギリシャ国民投票「ノー」の行方

借りた側が悪いのか、貸した側が悪いのか　2002年にユーロ圏への加盟が認められて以降、ギリシャ政府は「強い通貨」ユーロの低金利を利用して大量 … ［続きを読む］

鳥に種子をまいてもらうランがあった！

ツチアケビが採用した常識はずれの繁殖戦略

　みなさんは　dust　seed　という言葉を聞いたことがあるだろうか。日本語に訳せば、ほこり種子。ほこりのように小さくて大量につくられる、 … ［続きを読む］

言論封殺のための「言論の自由」は存在しない

自民党「報道圧力」はなぜ許されないのか

広告圧力は憲法禁止の検閲類似行為　6月26日の党内勉強会における自民党議員の発言が大きな問題になっている。先週（6月29日～）に入って安倍晋 … ［続きを読む］

安全保障の落とし穴、サイバー戦争の脅威

私たちの日常が戦場となる全く新しい戦争がすでに始まっている

　戦争といえば、誰しも銃弾が飛び交い爆弾が炸裂する世界を思い浮かべる。実際、TVや各種メディアが報道する世界各地の戦争は、こうした戦闘と破壊 … ［続きを読む］

「原発、ＳＴＡＰ問題と情報」　養老孟司×白井聡

朝日新聞　関西スクエア　中之島クロストーク

　政治学者の白井聡さんがホスト役を務める対談・対論イベント「第2回　関西スクエア　中之島クロストーク」(朝日新聞社主催)が5月27日、大阪市 … ［続きを読む］

［14］色濃い死の影と、和平派の人々

ユダヤ人入植者を訪れる　2002年春のイスラエル軍によるヨルダン川西岸への大規模侵攻によってパレスチナ人の若者たちが希望を失っていく様子を書 … ［続きを読む］

日米ビール事情

米国産ビールへの偏見から尊敬へ、日本産ビールへの愛着アンダーソン・毛利・友常法律事務所弁護士　米田 裕美子　夏だ。ビールのおいしい季節の到来 … ［続きを読む］

なぜ韓国で？　ＭＥＲＳ感染拡大の背景（下）

韓国と中東の強い絆

中東で流行している病気がどうして韓国に？　マーズ(MERS)も感染そのものは収束の兆しをみせているのだろうか。 　6月23日現在、感染者数は … ［続きを読む］

［7］必見！　相米慎二『ションベン・ライダー』

　長回しのロングショットという手法を、『セーラー服と機関銃』で確立した相米慎二。　彼はその手法を、超傑作『ションベン・ライダー』(1983) … ［続きを読む］

日韓国交正常化５０周年に必要とされる覚悟（下）

容易な批判ではなく、相手を知る努力を

手法上の問題　現在の嫌韓の雰囲気を助長する番組で多く見られる特徴として、古いタイプのプロパガンダの手法を挙げることができる。　著名な社会心理 … ［続きを読む］

こんなレベルの低いTPPでよいのか？

対処方針が十分に議論されず、明示もされないまま続く交渉

　TPPなどの貿易交渉権限をアメリカ連邦政府に与えるTPA法案の議会通過が、難航している。通商交渉の案件がこれほどアメリカで報道され、関心を … ［続きを読む］

なぜ韓国で？　ＭＥＲＳ感染拡大の背景（上）

かつてない、不思議な風景

1人も発病していないのに、予防休校　2014年のセウォル号事故に続き、韓国の市民生活を直撃したマーズ(MERS)問題。学校は休校、行事は延期 … ［続きを読む］

「山口小夜子　未来を着る人」展に寄せて

美しい異物への意志

　パリコレの舞台を最初に踏んだ日本人モデルは、ピーターという愛称で知られた松田和子である。彼女は文化服装学園のモデルスクールで学び、雑誌『装 … ［続きを読む］

上海株式市場の危うさ

「デフレ」も「中進国の罠」も飲み込む

　上海株式市場の指数である上海総合指数(注1)が、今年春から急騰し、8年ぶりに5000の大台に乗せている。この半年で約2倍という熱狂ぶりだ( … ［続きを読む］